方針
直角三角形 AOP から ∠OAP=π/6 を求め、lk の方向角を θk=kπ/(6n) とする。点 A から lk 上を距離 r だけ進んだ点を座標表示し、円との交点条件を r の二次方程式にする。2根が AQk,ARk なので、和と差から平方差を求める。(2)は θk に関する区分求積和へ直し、u=2sinθ で積分する。
解答
(1) AP は円の接線なので OP⊥AP である。AO=2、OP=1 より、直角三角形 AOP でsin∠OAP=21であるから ∠OAP=π/6 である。したがって lk が AO となす角を θk とするとθk=6nkπ.
接線が作る角 π/6 を n 等分し、各割線の2交点を考える。
点 A から lk に沿って距離 r だけ進んだ点の座標は(−2+rcosθk,rsinθk)である。これが円 x2+y2=1 上にある条件はr2−4rcosθk+3=0である。その2根は AQk,ARk でありAQk+ARk=4cosθk,ARk−AQk=24cos2θk−3.よってARk2−AQk2=(ARk−AQk)(ARk+AQk)=8cosθk4cos2θk−3=8cos6nkπ1−4sin26nkπ.(2) h(θ)=8cosθ1−4sin2θ とおく。(1)より求める極限はn→∞limn1k=1∑n−1h(6nkπ)=π6∫0π/6h(θ)dθ.ここで u=2sinθ とおくと du=2cosθdθ であり、積分区間は 0≦u≦1 となる。したがって∫0π/6h(θ)dθ=4∫011−u2du=4⋅4π=π.最後の積分は半径1の円の第1象限部分の面積である。よって求める極限はπ6⋅π=6である。
別解
解法2
方針
割線と円の交点を二次方程式で解かず、中心から弦へ下ろした垂線と弦の中点を用いて AQk,ARk の和と差を幾何的に得る。後半は区分求積法と4分円の面積で極限を評価する。
解答
(1)
弦の中点と点の冪を用いる。
AP は円 C の接線で、AO=2, OP=1 だから∠OAP=6π.したがって直線 lk が AO となす角をθk=6nkπとおける。
lk が円の内部に作る弦 QkRk の中点を Mk とする。
円の中心から弦への垂線は弦を二等分するので OMk⊥lk である。
直角三角形 AOMk からAMk=AOcosθk=2cosθk,OMk=2sinθkを得る。半径は1だからMkRk=MkQk=1−OMk2=1−4sin2θk.AQk=AMk−MkQk, ARk=AMk+MkRk よりARk2−AQk2=4AMk⋅MkRk=8cosθk1−4sin2θk=8cos6nkπ1−4sin26nkπ.
接線が作る角 π/6 を n 等分し、各割線の2交点を考える。
(2)h(θ)=8cosθ1−4sin2θ とおくと、
求める極限は区分求積法によりπ6∫0π/6h(θ)dθである。u=2sinθ と置けば∫0π/6h(θ)dθ=4∫011−u2du=π.よって求める極限はπ6⋅π=6である。
総評
難度7、計算量6。想定時間は22分程度。接弦の図形を座標化し、交点までの距離そのものを二次方程式の根にする発想が中心である。AQk,ARk を個別に長く計算するより、根の和と差から平方差を作ると整理しやすい。(2)では刻み幅が π/(6n) なので、問題の係数 1/n から外に 6/π が出ることを明示する。置換後の ∫011−u2du を4分円の面積と読むと計算ミスを防げる。
冊子PDFで見る阪大の図形と方程式の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2011年度 後期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。