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大阪大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

1以上6以下の2つの整数a,bに対し,
関数fn(x) (n=1,2,3,)
次の条件(ア),(イ),(ウ)で定める.

(ア) f1(x)=sin(πx)

(イ) f2n(x)=f2n1(1a+1bx)
(n=1,2,3,)

(ウ) f2n+1(x)=f2n(x)
(n=1,2,3,)

以下の問いに答えよ.

(1) a=2,b=3のとき,f5(0)を求めよ.

(2) 1個のさいころを2回投げて,1回目に出る目をa,2回目に出る目をbとするとき,
f6(0)=0となる確率を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

三角関数確率 漸化式の変形数え上げ状態分類

方針

h=1/a+1/bとおき,定義による変換を2回ずつ追う。帰納的にf2k(x)=sin{π(khx)}f2k+1(x)=sin{π(kh+x)}となるので,特にf2k(0)=f2k+1(0)=sin(kπh)である。(1)はh=5/6を代入する。(2)はf6(0)=sin(3πh)より,3/a+3/bが整数となる(a,b)を1から6の範囲で数え上げる。

解答

h=1a+1b とおく。まず f2(x)=f1(hx)=sinπ(hx) であり,f3(x)=f2(x)=sinπ(h+x) である。同様に繰り返すと,正の整数kについて f2k(x)=sin{π(khx)},f2k+1(x)=sin{π(kh+x)} が成り立つ。したがって f2k(0)=f2k+1(0)=sin(kπh) である。

(1) a=2,b=3のとき h=12+13=56 である。f5(0)2k+1=5よりk=2の場合なので,f5(0)=sin(2πh)=sin5π3=32 である。

(2) f6(0)2k=6よりk=3の場合なので,f6(0)=sin(3πh)=sinπ(3a+3b) である。よってf6(0)=0となる条件は 3a+3b が整数であることである。 1a,b6について調べる。3/aの値は 3, 32, 1, 34, 35, 12 である。この中から2つを足して整数になる組を数えると,(1,1),(1,3),(2,2),(2,6), (3,1),(3,3),(6,2),(6,6) の8通りである。さいころを2回投げる全事象は36通りなので,求める確率は 836=29 である。

別解

解法2

方針

2段階の関数変換を合成し,奇数番の関数が1段階ごとに引数をhだけ平行移動することを使う。確率小問では36組を力任せに調べず,3/aの小数部分を分類し,和が整数になる組を数える。

解答

h=1/a+1/bとおく。定義(イ),(ウ)を続けて用いるとf2n+1(x)=f2n(x)=f2n1(h+x)(1)である。したがって奇数番の関数は2段階進むごとに引数がhだけ平行移動する。f1(x)=sinπxから(1)を繰り返すとf2n+1(x)=sinπ(x+nh)であり,さらに定義(イ)からf2n(x)=sinπ(nhx)を得る。

(1) a=2,b=3ではh=5/6だからf5(0)=sin(2πh)=sin5π3=32.(2)f6(0)=sin3πhであるから,条件は3a+3bZ(2)である。a=1,2,3,4,5,6に対する3/aの小数部分は,順に0,12,0,34,35,12である。和が整数になるのは,小数部分0どうし,または1/2どうしを組み合わせる場合だけである。したがって(a,b){1,3}2または(a,b){2,6}2であり,順序つきで4+4=8通りとなる。全36通りは等確率なので,求める確率は836=29である。

総評

難度5,計算量5。目安時間は18分。関数列を直接展開し続けるのではなく,変換が「xhxにする」「xxにする」だけであると見ると,一般形がすぐに出る。f6(0)=0は三角関数の問題ではなく,3/a+3/bが整数になる有限個の数え上げである。順序つきのさいころなので,(1,3)(3,1)を別に数える点に注意する。

冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2016年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。