方針
(1) は和積公式で sinx+siny と cosx+cosy をそれぞれ (x+y)/2、(x−y)/2 の式に直す。分母が0でないという仮定から、共通因子だけでなく cos((x+y)/2) も0でないことが分かるので、正接として割り算できる。(2) は3つの角について同じ形の恒等式は一般には成立しないため、分母が0でない簡単な値を代入して反例を示す。
解答
(1)
和積公式より sinx+siny=2sin2x+ycos2x−y であり、また cosx+cosy=2cos2x+ycos2x−y である。仮定より cosx+cosy=0 だから 2cos2x+ycos2x−y=0 である。したがって cos2x+y=0,cos2x−y=0 である。
よって分母を0でない量として割ることができ、cosx+cosysinx+siny=2cos2x+ycos2x−y2sin2x+ycos2x−y=cos2x+ysin2x+y=tan2x+yとなる。したがって示すべき等式は成り立つ。
(2)
一般には成り立たない。反例として x=0,y=0,z=π を取る。このとき cosx+cosy+cosz=1+1−1=1=0 であり、問題の分母は0でない。
一方、左辺は tan3x+y+z=tan3π=3 である。右辺はcosx+cosy+coszsinx+siny+sinz=10+0+0=0である。したがって左辺と右辺は一致しない。よって、(2) の等式はすべての実数 x,y,z に対して成り立つわけではない。
総評
難度4、計算量3。目安時間は10分。(1) は二角の和積公式を使う基本問題だが、cosx+cosy=0 から割ってよい因子を確認する一文が必要である。(2) は「(1) と似ているから成り立ちそう」と考えず、3つの角では平均角の正接にまとまらないことを反例で示す。反例では分母が0でないこと、左辺と右辺の値が実際に異なることを両方書くのが採点上の要点である。
冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。