方針
平方根が非負であることを保つため、まず ∣x∣≦1,∣y∣≦1 から x=sinα,y=sinβ と置く。角を −π/2≦α,β≦π/2 に取れば 1−x2=cosα,1−y2=cosβ とでき、与式は加法定理で sin2(α+β) にまとまる。
解答
与えられた式を F=x2+y2−2x2y2+2xy1−x21−y2 とおく。 ∣x∣≦1 であるから、x=sinα(−2π≦α≦2π)と表せる。同様にy=sinβ(−2π≦β≦2π)と表せる。この範囲では cosα≧0,cosβ≧0 であるから、1−x2=1−sin2α=cosα,1−y2=cosβである。
これを F に代入するとF=sin2α+sin2β−2sin2αsin2β+2sinαsinβcosαcosβ=sin2αcos2β+cos2αsin2β+2sinαcosβcosαsinβ=(sinαcosβ+cosαsinβ)2=sin2(α+β)となる。したがって、任意の実数 α+β に対して 0≦sin2(α+β)≦1 であるから、0≦F≦1 が成り立つ。
別解
解法2(2つの平方への変形)
方針
与式そのものを1つの平方にして下限を示し、1から与式を引いたものも別の平方にして上限を示す。三角置換を用いず、2つの非負性を直接確認する。
解答
三角置換を使わず、平方の形だけで示すこともできる。まずF=x2(1−y2)+y2(1−x2)+2xy1−x21−y2={x1−y2+y1−x2}2である。よって F≧0 である。
また1−F=1−x2−y2+2x2y2−2xy1−x21−y2={1−x21−y2−xy}2である。よって 1−F≧0、すなわち F≦1 である。したがって同じく 0≦F≦1 が従う。
総評
難度5、計算量4。目安時間は15分。第1解法は平方根の符号を保つ範囲で三角置換し、加法定理から sin2(α+β) へまとめる。第2解法は与式と1との差をそれぞれ平方へ直し、上下限を直接示す。2つの方法が等号条件の理解にもつながる。
冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2015年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。