Evolton

大阪大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

関数f(x)=(x+1)1x+1(x0)について,以下の問いに答えよ.

(1) f(x)の最大値を求めよ.

(2) f(x)とその導関数の極限limxf(x),limxf(x)をそれぞれ求めよ.ただし,limxlogxx=0であることを用いてもよい.

(3) y=f(x)のグラフの概形をかけ.
ただし,グラフの凹凸を調べる必要はない.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安15

指数・対数微分関数 増減表極限計算グラフの概形

方針

x+1u とおくと u1 で、f(x) の大小は logf(x)=loguu の大小に帰着する。対数を取ることで指数部分の微分が簡単になり、符号は 1logu だけで決まる。増減、最大値、無限遠での極限、導関数の極限を順に確認し、最後に x>0 で常に f(x)>1 であることまで含めてグラフを描く。

解答

u=x+1 とおくと、x0 より u1 であり、f(x)=u1/u である。f(x)>0 だから対数をとって logf(x)=loguu とおける。

(1)
増減と最大値 g(u)=loguu とすると g(u)=1loguu2 である。u=x+1 だから、x で見ても符号は同じである。したがってu1eg(u)+0g(u)01e0となる。指数関数は単調増加なので、f(x) も同じ増減をもつ。よって最大となるのは u=e,すなわちx=e1 のときであり、その最大値は e1/e である。

(2)
極限 limxlogf(x)=limuloguu=0 であるから limxf(x)=1 である。また f(x)=f(x)1log(x+1)(x+1)2 であり、f(x)11log(x+1)(x+1)20 より limxf(x)=0 である。

(3)
グラフ f(0)=1 であり、0<x<e1 では増加、x>e1 では減少する。また x>0 では u>1 だから logu>0 となり、logf(x)=loguu>0 すなわち f(x)>1 である。したがってグラフは (0,1) から増加して (e1,e1/e) で最大となり、その後は y=1 より上側から水平に近づく。接線の傾きも無限遠で0に近づく。

別解

解法2(対数の接線評価で最大値を決める)

方針

u=x+1 とおく。最大値は基本不等式 logvv1v=u/e を代入し、logu/u1/e と一気に評価する。極限とグラフについては対数表示と導関数の符号を使い、最大値の位置、漸近線、近づく向きを確認する。

解答

u=x+1 とおくと u1 でありf(x)=u1/u,logf(x)=loguuである。

(1)
正の実数 v に対するlogvv1v=u/e を代入するとlogu1ue1だからloguu1eを得る。等号は u/e=1、すなわち u=e のときだけ成り立つ。指数関数は単調増加なのでf(x)e1/eであり、最大値はe1/e(x=e1)である。

(2)
与えられた極限からlogf(x)=log(x+1)x+10である。したがってlimxf(x)=1となる。またf(x)=f(x)1log(x+1)(x+1)2であり、第1因子は1へ、第2因子は0へ収束するのでlimxf(x)=0である。

(3)
導関数の符号は1log(x+1)の符号と一致する。よって 0x<e1 で増加し、x>e1 で減少する。さらに f(0)=1x>0 では f(x)>1 であるから、グラフは最大点を通った後、直線 y=1 へ上側から近づく。

総評

難度4、計算量4、目安時間15分。直接べき関数を微分するより、logf(x)=log(x+1)/(x+1) を調べるのが安定する。最大値は対数微分でも logvv1 の接線評価でも確認できる。最大値の位置 x=e1 と値 e1/e を混同せず、無限遠では関数値が1へ、傾きが0へ近づくこと、グラフが漸近線 y=1 の上側にあることまで図に反映する。

冊子PDFで見る阪大の指数・対数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2020年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。