方針
正弦定理により c/b=sin(nB)/sinB とする。0<B<nB<π の範囲で、加法定理から sin(kB)<ksinB を帰納的に示す。厳密な不等号は sin(kB)>0 と cosB<1 から得る。
解答
辺 AB=c は角Cの対辺、辺 CA=b は角Bの対辺である。正弦定理と C=nB よりbc=sinBsin(nB)である。
三角形の内角なので0<B<nB<πである。k=1,2,…,n に対してsin(kB)≦ksinBを示す。k=1 では等号で成り立つ。1≦k≦n−1 で成り立つと仮定すると、0<kB<π より sin(kB)>0 であり、加法定理からsin((k+1)B)=sin(kB)cosB+cos(kB)sinB<sin(kB)+sinB≦(k+1)sinB.ここで B>0 より cosB<1、また cos(kB)≦1 を用いた。
したがって k=n としてsin(nB)<nsinBである。sinB>0 だからbc<nとなり、b>0 を掛けてc<nbを得る。
別解
解法2(sin x/x の単調性を使う)
方針
関数 h(x)=sinx/x が 0<x<π で狭義単調減少することを微分で証明する。0<B<nB<π に単調性を適用すれば、正弦定理で得た辺の比を一度に評価できる。
解答
正弦定理よりbc=sinBsin(nB)である。
関数h(x)=xsinx(0<x<π)を考える。微分するとh′(x)=x2xcosx−sinxである。分子をq(x)=xcosx−sinxとおけばq′(x)=−xsinx<0(0<x<π)である。また x→0+0 で q(x)→0 だから、0<x<π では q(x)<0 である。よってh′(x)<0となり、h はこの区間で狭義単調減少する。
いま0<B<nB<πだからnBsin(nB)<BsinB.両辺に nB/sinB>0 を掛けるとsinBsin(nB)<n.したがってbc<nであり、b>0 よりc<nbを得る。
総評
難度5、計算量4、目安時間18分。文系第3問の一般化であり、sin(nB)<nsinB の証明が中心になる。加法定理による帰納法では 0<kB<π と厳密不等号の根拠を、sinx/x の単調性では微分後の分子が負になる理由を省かない。正弦定理への変換、角の範囲、不等式の証明、辺の不等式へ戻す流れを2解法で相互確認できる。
冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2020年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。