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大阪大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

nを2以上の自然数とする.
三角形ABCにおいて,辺ABの長さをc,辺CAの長さをbで表す.
ACB=nABCであるとき,c<nbを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

三角関数論証・証明 三角比の利用数学的帰納法不等式評価

方針

正弦定理により c/b=sin(nB)/sinB とする。0<B<nB<π の範囲で、加法定理から sin(kB)<ksinB を帰納的に示す。厳密な不等号は sin(kB)>0cosB<1 から得る。

解答

AB=c は角Cの対辺、辺 CA=b は角Bの対辺である。正弦定理と C=nB よりcb=sin(nB)sinBである。

三角形の内角なので0<B<nB<πである。k=1,2,,n に対してsin(kB)ksinBを示す。k=1 では等号で成り立つ。1kn1 で成り立つと仮定すると、0<kB<π より sin(kB)>0 であり、加法定理からsin((k+1)B)=sin(kB)cosB+cos(kB)sinB<sin(kB)+sinB(k+1)sinB.ここで B>0 より cosB<1、また cos(kB)1 を用いた。

したがって k=n としてsin(nB)<nsinBである。sinB>0 だからcb<nとなり、b>0 を掛けてc<nbを得る。

別解

解法2(sin x/x の単調性を使う)

方針

関数 h(x)=sinx/x0<x<π で狭義単調減少することを微分で証明する。0<B<nB<π に単調性を適用すれば、正弦定理で得た辺の比を一度に評価できる。

解答

正弦定理よりcb=sin(nB)sinBである。

関数h(x)=sinxx(0<x<π)を考える。微分するとh(x)=xcosxsinxx2である。分子をq(x)=xcosxsinxとおけばq(x)=xsinx<0(0<x<π)である。また x0+0q(x)0 だから、0<x<π では q(x)<0 である。よってh(x)<0となり、h はこの区間で狭義単調減少する。

いま0<B<nB<πだからsin(nB)nB<sinBB.両辺に nB/sinB>0 を掛けるとsin(nB)sinB<n.したがってcb<nであり、b>0 よりc<nbを得る。

総評

難度5、計算量4、目安時間18分。文系第3問の一般化であり、sin(nB)<nsinB の証明が中心になる。加法定理による帰納法では 0<kB<π と厳密不等号の根拠を、sinx/x の単調性では微分後の分子が負になる理由を省かない。正弦定理への変換、角の範囲、不等式の証明、辺の不等式へ戻す流れを2解法で相互確認できる。

冊子PDFで見る阪大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2020年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。