方針
xy≦1 は双曲線の下側、x+y≦t は直線の下側を表す。t→∞ の極限だけが必要なので t>2 として、直線 y=t−x と双曲線 y=1/x の交点を α,β で表す。区間 [0,α]、[α,β]、[β,t] に分けて面積を積分し、αβ=1、α+β=t を用いて式を簡単にする。最後は αt→1 を確認して極限を出す。
解答
t>2 とする。直線 x+y=t と双曲線 xy=1 の交点の x 座標は x(t−x)=1 すなわち x2−tx+1=0 の2解である。小さい方を α、大きい方を β とすると α=2t−t2−4,β=2t+t2−4 であり、α+β=t,αβ=1 が成り立つ。 0≦x≦t において、領域は 0≦y≦min(t−x,x1) で表される。ただし x=0 では xy≦1 は制限にならない。0≦x≦α と β≦x≦t では直線の方が下、α≦x≦β では双曲線の方が下である。したがって面積 S(t) はS(t)=∫0α(t−x)dx+∫αβx1dx+∫βt(t−x)dxである。
各項を計算する。 ∫0α(t−x)dx=tα−2α2 また ∫βt(t−x)dx=2(t−β)2=2α2 である。ここで t−β=α を用いた。さらに ∫αβx1dx=logαβ である。よって S(t)=tα+logαβ である。 αβ=1 より β=1/α だから logαβ=logα21=−2logα である。また tα=(α+β)α=α2+1 なので S(t)=1+α2−2logα となる。したがって S(t)−2logt=1+α2−2log(αt) である。
最後に t→∞ のとき、α=2t−t2−4=t+t2−42 より α→0,αt=t+t2−42t→1 である。ゆえに t→∞lim{S(t)−2logt}=1+0−2log1=1 である。
別解
解法2(対称軸の片側だけを積分する)
方針
領域が直線 y=x に関して対称であることを利用し、片側 x≦y の面積だけを求めて2倍する。小さい交点を α とすれば、0≦x≦α では直線、α≦x≦1 では双曲線が上端になる。解と係数の関係で式を整理して極限を取る。
解答
t>2 とする。直線 x+y=t と双曲線 xy=1 の交点の x 座標を α<β とすればα+β=t,αβ=1,0<α<1<βである。
領域は直線 y=x に関して対称である。片側 x≦y だけを見ると、0≦x≦α では上端が y=t−x、α≦x≦1 では上端が y=1/x、下端は常に y=x である。したがってS(t)=2{∫0α(t−2x)dx+∫α1(x1−x)dx}.計算するとS(t)=2tα−α2−1−2logα=1+α2−2logαとなる。最後の変形ではtα=(α+β)α=α2+1を用いた。
よってS(t)−2logt=1+α2−2log(αt).またα=t+t2−42⟶0,αt=t+t2−42t⟶1であるからt→∞lim{S(t)−2logt}=1を得る。
総評
難度6、計算量6、目安時間22分。領域の上端が直線と双曲線のどちらになるかを図で確定することが核心である。全体を3区間に分ける方法と、対称軸 y=x の片側だけを2区間に分ける方法があり、どちらも S(t)=1+α2−2logα に一致する。α+β=t、αβ=1 を使い、最後に αt→1 を有理化で確認する。
冊子PDFで見る阪大の積分の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2020年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。