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大阪大学 2025年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

投げたときに表と裏の出る確率がそれぞれ12のコインがある.
A,B,Cの3文字をBACのように1個ずつすべて並べて得られる文字列に対して,コインを投げて次の操作を行う.

● 表が出たら文字列の左から1文字目と2文字目を入れかえる.

● 裏が出たら文字列の左から2文字目と3文字目を入れかえる.

例えば,文字列がBACであるときに,2回続けてコインを投げて表,裏の順に出たとすると,
文字列はBACからABCを経てACBとなる.

最初の文字列はABCであるとする.
コインをn回続けて投げたあとの文字列がABCである確率をpnとし,BCAである確率をqnとする.

(1) kを正の整数とするとき,p2kq2kを求めよ.

(2) nを正の整数とするとき,pnを求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安22

確率数列 状態分類確率漸化式対称性の利用

方針

1回の操作は隣接する2文字の交換なので,文字列の偶奇が毎回入れ替わる。したがって偶数回後だけを見れば,可能な文字列は偶置換の ABC,BCA,CAB の3つである。2回の操作を1単位にして,表表・裏裏なら同じ文字列に戻り,表裏・裏表なら残り2つのどちらかに移ることを確認する。これにより p2kq2k は2回ごとに 1/4 倍される。また対称性から偶数回後の BCACAB の確率は等しいので,p2k+2q2k=1 と合わせて p2k を求める。奇数回後は偶奇が違うため ABC には戻れない。

解答

(1)
1回の操作は,左から1文字目と2文字目,または2文字目と3文字目を入れかえる操作である。いずれも隣り合う2文字の交換なので,文字列の偶奇は1回ごとに変わる。最初の ABC は偶数回の交換後には ABC,BCA,CAB のいずれかになり,奇数回の交換後には残り3つの文字列になる。

偶数回後の3つの文字列だけを考え,さらに2回操作する。どの文字列から始めても,2回の結果が「表,表」または「裏,裏」であれば同じ隣接交換を2回行うので,もとの文字列に戻る。これは確率 14+14=12 で起こる。一方,「表,裏」と「裏,表」の2通りでは,残り2つの偶数回後の文字列にそれぞれ移る。したがって,2回を1単位として見たとき,同じ文字列にとどまる確率は 12,他の2つへ移る確率はそれぞれ 14 である。

2k 回後に ABC,BCA,CAB である確率をそれぞれ p2k,q2k,r2k とおく。上の2回ごとの移り方より p2k+2=12p2k+14q2k+14r2k であり,q2k+2=14p2k+12q2k+14r2k である。したがって差を取ると p2k+2q2k+2=14(p2kq2k) となる。

最初は p0=1q0=0 であるから p0q0=1 である。よって,k を正の整数とすると p2kq2k=(14)k である。

(2)
偶数回後には ABC,BCA,CAB のいずれかであり,その確率の和は 1 である。また,BCACAB は左右対称な役割をもち,最初はどちらも確率 0,2回ごとの移り方でも同じように扱われるので Pr(BCA)=Pr(CAB)=q2k である。したがって p2k+2q2k=1 である。

(1)p2kq2k=(14)k と合わせると,3p2k=1+2(14)k であるから p2k=13+23(14)k を得る。

一方,奇数回後は奇数回の交換を行った後なので,偶数回の交換で得られる ABC にはならない。したがって p2k1=0(k=1,2,3,) である。

以上より,正の整数 n に対してpn={0(n が奇数),13+23(14)k(n=2k,k=1,2,3,)である。

総評

公式の出題意図は、確率の基本性質から漸化式を導く論証力と、一般項を求める力を問うとしている。隣接交換の確率を2回単位で圧縮する問題。目安時間は22分前後。6つの文字列をすべて追うこともできるが,偶数回後は ABC,BCA,CAB の3つだけに限られることを使うと大幅に整理できる。採点上は,2回操作で同じ状態に戻る確率が 1/2,他の2状態へ移る確率が各 1/4 であること,差 p2kq2k1/4 倍されること,BCACAB の確率が等しいことを明記したい。奇数回で pn=0 になる理由は,交換回数の偶奇で説明すると簡潔で誤りにくい。
1n12 の全 2n 通りを独立列挙し、pn,qn と導出した式がすべて一致した。

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出典: 大阪大学 2025年度 一般選抜 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。