方針
まず を成分ごとに比較し、特に を取り出す。実数 について であることから、 は等号の場合しかあり得ない。後半は 、 を条件 に代入し、 と から を決める。
解答
(1) について であるから、成分を比較すると である。特に が成り立つ。
任意の実数 について であり、等号は のときだけである。ところが仮定より である。一方で だから、すべて等号でなければならない。よって (2)
(1) よりである。
条件 に を代入すると すなわち である。
また だから、 は同符号である。もし がともに正なら、相加相乗の関係から となり、 に反する。したがって はともに負である。このとき より 先ほどの条件 と合わせて である。
したがって は すなわち の二つの解である。これは だから よってである。
別解
解法2(平方の恒等式で絞る)
方針
対角成分から得られる2本の平方完成で a と d を一度に決める。(2)では積 bc と和 b+c の範囲を平方の非負性と符号に結び付け、相加相乗の公式を直接使わずに b と c を決める。
解答
(1)
の対角成分からを得る。したがって仮定 と平方の非負性を合わせると、両式で平方は0、かつ でなければならない。よって(2)
条件はとなる。積が正なので は同符号である。
もし正なら、 よりであり となって上限に反する。したがって両方とも負である。同じ不等式から だが、下限と合わせて である。さらにより を得る。ゆえに
総評
難度は10段階で6、計算量は10段階で5程度。試験場ではおよそ30分を見込む。前半は の全成分を見る必要はあるが、決め手は対角成分から出る である。 を平方完成で示すと、仮定 が強い条件であることが明確になる。後半は の範囲と の符号から の符号を絞る問題で、相加相乗の関係を正負に応じて使い分けるのが要点である。