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東北大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

行列A=(abcd)は,
任意のベクトルu→=(xy)に対して
Au→⋅u→=u→⋅u→=14Au→⋅Au→を満たす.
ただし,u→⋅v→は
ベクトルu→,v→の内積を表す.

(1) Aを求めよ.

(2) u→が零ベクトルでないとき,
u→,Au→のなす角を求めよ.

(3) Aの定める1次変換によって,円弧{(x, y)∣x2+y2=1, x≧0, y≦0}はどのような図形にうつされるか.図によって示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安22分

行列、ベクトル、図形と方程式 内積の利用、必要十分条件、回転・拡大、図形的解釈

方針

任意の x,y で成り立つ2つの内積条件を展開し、係数比較する。(2) は内積による角の公式、(3) は得られた行列を倍率2と回転角 ±π/3 に読む。

解答

(1) A=(abcd),u=(xy)と置く。第1の条件を展開すると(a−1)x2+(b+c)xy+(d−1)y2=0が任意の x,y で成り立つのでa=d=1,c=−b.さらに∣Au∣2=(1+b2)(x2+y2)=4(x2+y2)より b2=3 である。したがってA=(13−31)またはA=(1−331).(2)cos⁡ϕ=Au⋅u∣Au∣ ∣u∣=12だからϕ=π3.(3)
2つの行列はそれぞれ、倍率2の拡大と角 −π/3, π/3 の回転である。したがって像は半径2の円弧で、偏角の範囲は−5π6≦ϕ≦−π3,−π6≦ϕ≦π3の2通りである。

別解

解法2

方針

標準ベクトル e1,e2 とその和だけを条件へ代入し、行列の列ベクトルを決める。像の長さが2倍、内積が元の長さの2乗という情報から回転角を読む。

解答

(1) Ae1=(a,c),Ae2=(b,d)とする。e1,e2 を条件へ代入するとa=d=1,a2+c2=b2+d2=4.よって b,c=±3 である。さらに
e1+e2 を第1の内積条件へ代入するとa+b+c+d=2,すなわち b+c=0 である。したがってA=(13−31)またはA=(1−331).(2)
条件そのものから∣Au∣=2∣u∣,Au⋅u=∣u∣2.したがって角は π/3 である。

(3)
e1 の像は (1,∓3) なので偏角は ∓π/3、長さは2である。したがって元の第4象限の単位円弧は、半径2で偏角[−5π6,−π3]または[−π6,π3]の円弧へ移る。

総評

原問題が明示する行列と内積の問題である。目安時間は22分。任意のベクトルという条件を係数比較または標準ベクトルへの代入で使い切る。2つの行列、角 π/3、2本の像円弧を照合した。

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出典: 東北大学 1983年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。