Evolton

東北大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

平面上で,行列(34343414)により与えられる1次変換をf
原点のまわりにπ3回転する1次変換をgとする.

(1) 平面上の任意の点がfによって,
ある直線l上の点にうつされることを示し,
lの方程式を求めよ.

(2) P(a,b)l上の点とする.
合成写像fgによって,
Pにうつされる点全体のつくる図形を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列ベクトル 座標設定回転・拡大ベクトル成分計算

方針

行列を vvT の形に分解し、f が任意の点を v=(3/2,1/2) 方向の直線へ移す変換であることを見る。(2) は P にうつされる点全体、つまり (fg)(X,Y)=P を満たす点 (X,Y) の集合を求める問題である。回転 g の後で f を作用させ、結果の点が Yv になることを成分計算で確認して、横一直線を得る。

解答

(1)
与えられた行列を A とおくとA=(3/43/43/41/4)=(3/21/2)(3/21/2)である。
したがって、任意の点の位置ベクトルを x とするとf(x)=((3/21/2)x)(3/21/2)となる。つまり f(x) は常に(3/21/2)の実数倍である。
よって、移った点は原点を通り傾き 1/23/2=13 の直線上にある。求める直線は l: y=x3 である。

(2)
(X,Y)fg によって P(a,b) にうつされる条件を求める。
原点のまわりに π/3 回転する変換 gg(X,Y)=(12X+32Y,32X+12Y)である。これに f を作用させると、(1) の表示より(fg)(X,Y)={32(12X+32Y)+12(32X+12Y)}(3/21/2)=Y(3/21/2)である。したがって (fg)(X,Y)=(32Y,12Y) となる。

いま P(a,b)l 上にあるので b=a3 である。(fg)(X,Y)=P となるためには 12Y=b すなわち Y=2b=2a3 であればよい。X には条件がない。
よって、P にうつされる点全体のつくる図形は直線 y=2b=2a3 である。

回転後に f で直線 l へ射影され、P の逆像は水平な直線になる

別解

解法2

方針

(1) 行列積をそのまま成分で計算し、像の座標が常に 3y=x を満たすことを示す。(2) 回転 g の座標表示を代入して fg を直接計算し、逆像の条件が第2座標だけを固定することを読み取る。

解答

(1)(x,y)f による像を (X,Y) とするとX=3x+3y4,Y=3x+y4.したがって3Y=3x+3y4=Xである。よって全ての像はl:y=x3上にある。逆に、例えば (x,y)=(4X/3,0) と取れば l 上の任意の点が像として得られるので、像全体はこの直線である。

(2) 原点のまわりの π/3 回転はg(X,Y)=(X+3Y2,3X+Y2)である。これを上の成分表示へ代入すると(fg)1(X,Y)=32Y,(fg)2(X,Y)=12Y.したがって(fg)(X,Y)=(32Y,12Y).P(a,b)l だから a=3b である。像が P になる条件は12Y=b,すなわち Y=2b=2a/3 だけであり、X は任意である。よって P にうつされる点全体はy=2b=2a3という水平な直線である。

総評

射影型の行列と回転の合成を読む問題。目安時間は20分。行列を vvT と見抜くと、(1) で移った点が直線上にある理由が明確になる。(2) は「P にうつされる点全体」なので、結果として P になる元の点を求める点に注意する。合成後の式が X に依存せず Y だけで決まるため、答えは水平な直線になる。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号も確認した。

冊子PDFで見る東北大の行列の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。