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東北大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

行列A=(2abba)(a≦12, b≧0)について、次の問いに答えよ。

(1) A(xy)=(xy),x2+y2=1を同時に満たす点 P(x,y)(x>0)がある。b と点 P の座標を a で表せ。

(2) (1)のとき、さらにA(XY)=t(XY)(t≠1),X2+Y2=1を同時に満たす点 Q(X,Y)(Y>0)が存在するような t と点 Q の座標を a で表せ。

(3) 原点を O とするとき、三角形 OPQ の面積を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25分

行列、ベクトル 必要十分条件、内積の利用、図形的解釈

方針

(1) は A によって (x,y) がそのまま保たれる条件を成分方程式にし、零でない解が存在する条件から b を求める。次に比 y/x を出して単位円条件で P を決める。(2)も同様に、倍率 t に対する成分方程式が零でない解をもつ条件を立て、t≠1 の方を選ぶ。最後に Y>0 と単位円条件で Q を決める。

解答

(1) A(xy)=(xy)は (2a−1)x+by=0,bx+(a−1)y=0 と同値である。

点 P(x,y) は x2+y2=1 を満たすので、(x,y)≠(0,0) である。したがって上の連立一次方程式が零でない解をもつ必要があり、(2a−1)(a−1)−b2=0 である。よって b2=(2a−1)(a−1)=(1−2a)(1−a). a≦12、b≧0 より b=(1−2a)(1−a). 次に bx+(a−1)y=0 から y=b1−ax である。ここで 1−a>0 である。したがって y=1−2a1−a x. これを x2+y2=1 に代入すると x2(1+1−2a1−a)=1. すなわち x22−3a1−a=1. x>0 より x=1−a2−3a. したがって y=1−2a2−3a. よって P=(1−a2−3a,1−2a2−3a) である。

(2) A(XY)=t(XY)は (2a−t)X+bY=0,bX+(a−t)Y=0 と同値である。点 Q も単位円上にあるので、(X,Y)≠(0,0) である。したがって (2a−t)(a−t)−b2=0 でなければならない。

(1) で得た b2=(1−2a)(1−a) を代入すると (2a−t)(a−t)−(1−2a)(1−a)=0. 整理して t2−3at+3a−1=0 である。この2次方程式は (t−1){t−(3a−1)}=0 と因数分解できる。条件は t≠1 なので t=3a−1. このとき第一式は (1−a)X+bY=0 となる。よって X=−b1−aY=−1−2a1−a Y. 単位円条件から X2+Y2=1 であり、Y>0 だから Y=1−a2−3a. したがって X=−1−2a2−3a. よって Q=(−1−2a2−3a,1−a2−3a). (3)

(1) 、(2)より P=(1−a2−3a,1−2a2−3a), Q=(−1−2a2−3a,1−a2−3a) である。どちらも単位円上にある。また内積を計算すると1−a2−3a(−1−2a2−3a)+1−2a2−3a1−a2−3a=0.したがって OP と OQ は垂直で、長さはいずれも1である。よって三角形 OPQ の面積は 12⋅1⋅1=12.

別解

解法2(対称性から直交方向を作る)

方針

(1) で得た単位ベクトルPに対し、それを90度回転した単位ベクトルQを作る。行列Aの左右対称性を内積の成分計算で使い、AQがQと平行であることを示す。倍率は直接計算する。

解答

(1)
A(x,y)T=(x,y)T が非零解をもつ条件から(2a−1)(a−1)−b2=0.したがってb=(1−2a)(1−a).さらに bx+(a−1)y=0、x>0、x2+y2=1 からP=(x,y)=(1−a2−3a,1−2a2−3a).(2)Q=(−y,x)とおくと、Q は単位ベクトルで第2成分が正であり、P⋅Q=0 である。行列の成分が左右対称なので、任意のベクトル U,V に対して成分計算からU⋅(AV)=(AU)⋅Vが成り立つ。したがってP⋅(AQ)=(AP)⋅Q=P⋅Q=0.平面で P に垂直な方向は Q の方向だけだから、ある実数 t により AQ=tQ と書ける。

倍率は t=Q⋅(AQ) である。x2=(1−a)/(2−3a)、y2=(1−2a)/(2−3a)、xy=b/(2−3a) を用いるとt=2ay2−2bxy+ax2=2a(1−2a)−2(1−2a)(1−a)+a(1−a)2−3a=3a−1.よってQ=(−1−2a2−3a,1−a2−3a),t=3a−1.(3)
OP=OQ=1、OP⊥OQ なので[△OPQ]=12.

総評

難度は10段階で7、計算量は10段階で6程度。試験場ではおよそ38分を見込む。行列の倍率条件を成分方程式に直し、零でない解がある条件を使う問題である。(1)では b2=(1−2a)(1−a) の符号が条件 a≦12、b≧0 と合っていることを確認する。(2)では t の2次方程式に t=1 が含まれるので、条件 t≠1 によりもう一方 t=3a−1 を選ぶ。最後の面積は、求めた P,Q が単位円上で互いに垂直であることを内積で確認すれば一気に出る。

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出典: 東北大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。