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東北大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

数直線上を原点から出発して点が動く.
サイコロを投げて,1,4の目のいずれかが出れば,負の方向に1だけ動き,
2,3,5,6の目のいずれかが出れば,正の方向に2だけ動く.

(1) 8回サイコロを投げたとき,0.94以上の確率で点が存在する最小の範囲を求めよ.

(2) 8回サイコロを投げたとき,点の位置の平均値を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率 数え上げ、期待値、範囲評価

方針

正方向に進む回数を j と置くと,8回後の位置は 3j8 で表せる。j は成功確率 2/3 の二項分布に従うので,各 j の確率を表にして,確率0.94以上を満たす最短の連続範囲を探す。(2) は1回の移動量の平均を求め,8回分を足せばよい。 連続した範囲であることを意識し,4点で不足,5点で十分という順に確認する。

解答

(1)
1回の試行で,負の方向に1だけ動く確率は 26=13 であり,正の方向に2だけ動く確率は 46=23 である。

8回のうち,正の方向に2だけ動く回数を j とする。このとき負の方向に1だけ動く回数は 8j であり,8回後の位置 XX=2j(8j)=3j8 である。また jP(j)=8Cj(23)j(13)8jに従う。

分母を 38=6561 にそろえると,各 j の確率の分子は次の通りである。j0123456786561P(j)1161124481120179217921024256対応する位置は 8,5,2,1,4,7,10,13,16 である。

確率0.94以上を含む範囲をできるだけ短くするには,確率の大きい連続した位置を選ぶ。連続する4個の位置を選んだときの最大確率は 1120+1792+1792+10246561=57286561<0.94 である。したがって4個以下の位置を含む範囲では足りない。

連続する5個の位置 j=3,4,5,6,7 を選ぶと,位置は 1,4,7,10,13 であり,確率は 448+1120+1792+1792+10246561=61766561>0.94 である。よって求める最小の範囲は 1X13 である。

(2)
1回の移動量を Y とする。するとY={1確率 1/3,2確率 2/3であるから,1回あたりの平均は E(Y)=(1)13+223=1 である。8回の移動量の平均はその8倍なので 8 である。

別解

解法2

方針

正方向へ進む回数 J の分布を位置の棒グラフとして見る。4つの連続した到達点を含む区間では確率不足であることを最頻部で確認し、5点区間は両側の小さい確率を補集合で除いて0.94を超えることを示す。平均は X=3J8 から求める。

解答

(1) 正方向へ2進む回数を J とするとX=2J(8J)=3J8であり、P(J=j)=8Cj(23)j(13)8j.分母を 38=6561 にそろえた分子は1,16,112,448,1120,1792,1792,1024,256である。

到達点は3ずつ離れているので、4個以下の連続した到達点を含む区間のうち確率最大のものは j=4,5,6,7 である。その確率は1120+1792+1792+10246561=57286561<0.94.一方、j=3,4,5,6,7 を含めると、補集合を使って11+16+112+2566561=61766561>0.94.対応する位置は 1,4,7,10,13 だから、最小の範囲は1X13である。

(2) J の平均は 82/3=16/3 である。したがってE(X)=3E(J)8=8.

総評

難易度は5,計算量は4程度である。想定時間は14分から20分程度。位置を直接追うより,正方向に進んだ回数 j を数えると二項分布になる。最小範囲は確率の大きい点をばらばらに選ぶのではなく,数直線上の連続した範囲として考える必要がある。4点では0.94に届かず,5点で届くことを数値で示すと答案として明確になる。平均値は1回分の平均を8倍するのが最短である。端の位置を1つ増減させたときの確率比較まで示すと,「最小」の根拠がはっきりする。

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出典: 東北大学 1985年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。