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東北大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

曲線C:x=t+sin⁡t, y=cos⁡t−1上の媒介変数t (0<t<π)に対応する点をPとする.

(1) C上の2点O(0, 0)とPの間の弧の長さlを求めよ.

(2) PでのCの接線上に点QをPより左側に,PQ‾=lとなるようにとる.
Qの座標を求めよ.

(3) Pが0<t<πの範囲で動くとき,
Qの描く曲線はCのπ<t<2πの部分と合同になることを証明せよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25分

積分、微分、三角関数 計算整理、接線・法線、三角比の利用

方針

速度を半角公式で単位化して弧長と Q を求め、s=t+π と置いて後半のサイクロイドとの平行移動対応を示す。

解答

(1)
曲線 C は x=t+sin⁡t,y=cos⁡t−1 で表される。微分すると dxdt=1+cos⁡t,dydt=−sin⁡t である。したがって弧長の微小量は (1+cos⁡t)2+sin⁡2t dt である。根号内を整理すると(1+cos⁡t)2+sin⁡2t=1+2cos⁡t+cos⁡2t+sin⁡2t=2+2cos⁡t=4cos⁡2t2である。0<t<π では cos⁡(t/2)>0 なので (1+cos⁡t)2+sin⁡2t=2cos⁡t2 である。

点 O は t=0 に対応する。よって O から P までの弧の長さ l はl=∫0t2cos⁡u2 du=4sin⁡t2である。したがって l=4sin⁡t2 である。

(2)
接線方向を求める。上で見たように(dxdt,dydt)=(1+cos⁡t,−sin⁡t)である。半角公式を使うと1+cos⁡t=2cos⁡2t2,sin⁡t=2sin⁡t2cos⁡t2なので,増加方向の単位ベクトルは (cos⁡t2,−sin⁡t2) である。点 Q は P より左側にあるから,接線上で用いる単位ベクトルは反対向きの (−cos⁡t2,sin⁡t2) である。

したがって Q=P+l(−cos⁡t2,sin⁡t2) である。(1) の l=4sin⁡(t/2) を用いるとQx=t+sin⁡t−4sin⁡t2cos⁡t2=t+sin⁡t−2sin⁡t=t−sin⁡tであり,Qy=cos⁡t−1+4sin⁡2t2=cos⁡t−1+2(1−cos⁡t)=1−cos⁡tである。よって Q=(t−sin⁡t,1−cos⁡t) である。

(3) C の π<s<2π の部分を考える。ここで s=t+π とおくと,0<t<π に対して確かに π<s<2π である。このとき sin⁡s=sin⁡(t+π)=−sin⁡t,cos⁡s=cos⁡(t+π)=−cos⁡t なので,C 上の対応する点は (s+sin⁡s,cos⁡s−1)=(t+π−sin⁡t,−cos⁡t−1) である。この点をベクトル (−π,2) だけ平行移動すると (t−sin⁡t,1−cos⁡t) となる。これは (2) で求めた Q の座標である。

したがって,Q の描く曲線は,C の π<t<2π の部分を平行移動したものである。平行移動では図形の形も長さも変わらないから,両者は合同である。

別解

解法2

方針

速度ベクトルを半角公式で『速さ×単位接線ベクトル』に分解する。弧長だけ単位接線の逆向きへ進んで Q を求めた後、後半の媒介変数を s=t+π と置き、一定ベクトルだけの平行移動で一致することを示す。

解答

(1) 速度ベクトルは(1+cos⁡t,−sin⁡t)=2cos⁡t2(cos⁡t2,−sin⁡t2).0<t<π では cos⁡(t/2)>0 だから速さは 2cos⁡(t/2) である。よってl=∫0t2cos⁡u2 du=4sin⁡t2.(2) 括弧内は右向きの単位接線ベクトルである。Q は P より左側だから、その逆向きへ距離 l だけ進めばよい。したがってQ=(t+sin⁡t,cos⁡t−1)−4sin⁡t2(cos⁡t2,−sin⁡t2)=(t−sin⁡t,1−cos⁡t).(3) s=t+π とおくと π<s<2π であり、C 上の対応点は(s+sin⁡s,cos⁡s−1)=(t+π−sin⁡t,−1−cos⁡t).これを一定ベクトル (−π,2) だけ平行移動すると(t−sin⁡t,1−cos⁡t)=Qになる。したがって Q の軌跡は C の π<s<2π の部分の平行移動であり、両曲線は合同である。

総評

難易度は7,計算量は6程度である。想定時間は22分から32分程度。弧長では 2+2cos⁡t=4cos⁡2(t/2) とし,0<t<π だから正の平方根を取る点を明示する。(2) は接線の左向きを選ぶ符号が最も危ない。増加方向は右下向きなので,左側の点 Q へは反対向きに進む。(3) は s=t+π と置くと単なる平行移動で一致する。s=2π−t と置くと余計な対称移動が混ざり,対応を見失いやすい。

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出典: 東北大学 1985年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。