方針
f′(x)=k(x−1)(x+3) と置き、2つの極値の差で k を決める。(2) は曲線と接線の差を因数分解し、点と直線の距離を1変数関数として最大化する。
解答
(1)
極値をとる位置からf′(x)=k(x−1)(x+3)と書ける。極大から極小へ減少する区間があるので k>0 である。積分してf(x)=k(3x3+x2−3x)+C.条件 f(−3)−f(1)=32 よりk(9+35)=32,したがって k=3 である。さらに f(1)=0 から C=5 を得る。よってf(x)=x3+3x2−9x+5.(2)A=(0,5),f′(0)=−9だからl: y=−9x+5.曲線と接線の差はf(x)−(−9x+5)=x2(x+3).したがって再交点 B の x 座標は −3 であり、A から B まででは−3≦x≦0.点 (x,f(x)) と直線 9x+y−5=0 との距離は、この区間でd(x)=82x2(x+3).{x2(x+3)}′=3x(x+2)より、端点と停留点で値を比較するとx2(x+3)=⎩⎨⎧040(x=−3),(x=−2),(x=0).よって最大距離は824=41282.
別解
解法2:極小点の重解と相加相乗平均を使う
方針
f(1)=f′(1)=0 から f(x)=p(x−1)2(x−q) と因数分解して係数を決める。(2) は u=−x と置き、相加相乗平均で距離の分子を評価する。
解答
(1)
x=1 で極小値0をとるのでf(1)=f′(1)=0.したがってf(x)=p(x−1)2(x−q)と書ける。微分するとf′(x)=p(x−1){3x−(2q+1)}.もう1つの停留点が x=−3 だから32q+1=−3,よって q=−5 である。さらに32=f(−3)=p(−4)2⋅2=32pより p=1 を得る。したがってf(x)=(x−1)2(x+5)=x3+3x2−9x+5.(2)
接線はl: y=−9x+5であり、f(x)−l(x)=x2(x+3).よって再交点は x=−3 である。区間 −3≦x≦0 で u=−x とおけば0≦u≦3,x2(x+3)=u2(3−u).3つの非負数2u,2u,3−uの和は3なので、相加相乗平均より4u2(3−u)≦1.したがってu2(3−u)≦4.等号は2u=3−u=1,すなわち u=2 のときに成立する。直線 l の方程式が 9x+y−5=0 であることから、最大距離は92+124=41282.
総評
難度6、計算量5。極値条件から3次関数を復元し、接線との差を距離へ変換する問題で、想定時間は30分程度。導関数の積分と重解因数分解の2経路で同じ関数を得た。距離の分母 82 と移動区間 [−3,0] の明示が重要である。
冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1988年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。