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東北大学 1990年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

関数f(x)は微分可能で,すべてのxyに対して次の等式2f(x+y2)=f(x)+f(y)を満たしているとする.

(1) f(0)=0のときf(x)を求めよ.

(2) (1)で求めたf(x)のうち,次の積分02π{f(x)sinx}2dxの値を最小にするf(x)を求めよ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

関数積分 恒等式比較微分による最大最小、計算整理

方針

(1) は与式を一方の変数で微分し、導関数がどの点でも同じ値を取ることを示す。微分可能性があるため、 midpoint 型の条件から一次関数に落とせる。(2)では f(x)=cx として、積分を c の2次式と見て最小化する。平方完成または微分により、xsinxx2 の積分を計算して係数を決める。

解答

(1)
与えられた等式は 2f(x+y2)=f(x)+f(y) である。両辺を x で微分すると f(x+y2)=f(x) となる。ここで xy は任意である。任意の実数 u に対し、u=x+y2 となるように y を選べるので、上式は f(u)=f(x) が任意の u,x で成り立つことを意味する。したがって f は定数である。

よって、ある定数 c,d を用いて f(x)=cx+d と書ける。条件 f(0)=0 より d=0 だから f(x)=cx である。逆に、この形の関数は与式を満たす。

(2)
(1)より f(x)=cx とおけばよい。最小にすべき積分をI(c)=02π(cxsinx)2dxとおく。これは c の2次式であり、最小値をとるところではI(c)=202πx(cxsinx)dx=0である。したがってc02πx2dx=02πxsinxdxを得る。

まず02πx2dx=[x33]02π=8π33である。また部分積分により02πxsinxdx=[xcosx]02π+02πcosxdx=2πである。よって c8π33=2π となり、c=34π2 である。したがって求める関数は f(x)=3x4π2 である。

別解

解法2:導関数の一致と平方完成を使う

方針

関数等式を一方の変数で微分し、任意の2点で導関数が等しいことを示す。(2) は積分を c の2次式として展開し、平方完成で最小化する。

解答

(1)
与式を y で微分するとf(x+y2)=f(y).x,y は任意なので、左辺の点 (x+y)/2 も任意に動く。したがって f は一定である。よってf(x)=cx+d.f(0)=0 から d=0 であり、f(x)=cx.(2)I(c)=02π(cxsinx)2dxとおく。必要な積分は02πx2dx=8π33,02πxsinxdx=2π,02πsin2xdx=π.よってI(c)=8π33c2+4πc+π.平方完成するとI(c)=8π33(c+34π2)2+π32π.したがって最小にするのはc=34π2,すなわちf(x)=3x4π2.

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中4。 midpoint 型の式だけなら扱いにくいが、微分可能性があるため導関数を比較できるのがポイントである。(2)は関数の問題に見えて、実際には係数 c の2次式の最小化である。試験場では15分程度で、部分積分によるxsinxdxの符号を間違えないようにしたい。

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出典: 東北大学 1990年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。