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東北大学 1991年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

傾きが正の直線lが2つの放物線C1:y=ax2+13a3,C2:y=bx2+13b3(a>0, b>0, a≠b)に接している.このとき次の問に答えよ.

(1) lとC1の接点を(p, q)とするときp,qをa,bを用いて表せ.

(2) X=lim⁡b→ap,Y=lim⁡b→aqとする.
X,Yを求め,さらにYをXの式で表せ.

(3) aが正の実数全体を動くとき,点(X, Y)を描く曲線の概形をかけ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安26分

微分、図形と方程式 接線・法線、極限計算、パラメータ処理

方針

共通接線の傾きを m>0 とおく。放物線 y=ax2+1/(3a3) に傾き m で接する点の x 座標は m/(2a) であり、接線の切片も m と a で表せる。2つの放物線で同じ接線になる条件から m2 を求め、接点 (p,q) を出す。b→a の極限で X,Y を得て、a を消去する。

解答

(1)
共通接線 l の傾きを m とする。問題より m>0 である。

放物線 C1:y=ax2+13a3 上で傾きが m となる点の x 座標を p とすると 2ap=m だから p=m2a である。この点における接線の y 切片は(ap2+13a3)−mp=m24a+13a3−m22a=−m24a+13a3である。

同じ直線が C2:y=bx2+13b3 にも接するので、切片が等しく −m24a+13a3=−m24b+13b3 である。これを整理する。 m24(1b−1a)=13b3−13a3 であるからm24⋅a−bab=a3−b33a3b3=(a−b)(a2+ab+b2)3a3b3である。a≠b より m2=4(a2+ab+b2)3a2b2 である。m>0 なので m=2a2+ab+b23ab である。

したがって p=m2a=3a2+ab+b23a2b である。またq=ap2+13a3=a2+ab+b23a3b2+b23a3b2=a2+ab+2b23a3b2である。よってp=3a2+ab+b23a2b,q=a2+ab+2b23a3b2である。

(2) b→a とすると X=lim⁡b→ap=33a23a3=1a2 である。また Y=lim⁡b→aq=4a23a5=43a3 である。

ここで a>0 なので X=1/a2>0 であり 1a=X である。したがって Y=43a3=43(1a)3=43X3/2 である。よってX=1a2,Y=43a3,Y=43X3/2 (X>0)である。

(3)
(2)より、点 (X,Y) は Y=43X3/2,X>0 を満たす。したがって曲線は第1象限にあり、X→0+ で Y→0+、X→∞ で Y→∞ となる。さらに dYdX=2X>0 なので増加し、傾きは原点に近づくほど0に近づく。概形は、原点に右側から接するように近づき、第1象限で増加して上に伸びる曲線である。

別解

解法2:接点pからもう一方の接触条件を作る

方針

C1 上の接点を (p,q) とし、その接線を p で表す。同じ直線が C2 に接する条件を判別式0で書けば、傾きを別に置かずp,q を直接決められる。

解答

(1)
C1 の x=p における接線はy=2ap x−ap2+13a3.これと C2 の交点を求める2次方程式が重解をもつ条件は(2ap)2−4b(ap2−13a3+13b3)=0.整理し、a≠b を用いるとp2=a2+ab+b23a4b2.接線の傾きが正なので p>0 であり、p=a2+ab+b23 a2b.さらにq=ap2+13a3=a2+ab+2b23a3b2.(2)
b→a とすればX=1a2,Y=43a3.a>0 より 1/a=X なのでY=43X3/2(X>0).(3)dYdX=2X>0である。したがって第1象限で単調に増加し、原点へ右側から水平に近づき、
X→∞ で Y→∞ となる曲線である。

総評

共通接線を傾きで媒介し、接点の極限から曲線を出す問題である。目安時間は26分。接線の切片を −m2/(4a)+1/(3a3) と表すところが計算の要である。b→a の極限では、a>0 なので 1/a=X と戻せる。概形は式だけでなく、定義域 X>0、原点付近、増加性を言葉で補うとよい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 東北大学 1991年度 後期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。