方針
不等式を F(x)=x3−ax+1 の最小値問題として見る。a≦0 なら各項の符号からすぐ成り立つ。a>0 のときは導関数 F′(x)=3x2−a により,x=a/3 で最小になるので,その最小値が0以上である条件を求める。別解として,x>0 で a≦x2+1/x が全ての x に対して必要になることから,右辺の最小値を求める方法も使える。
解答
F(x)=x3−ax+1 とおく。
まず a≦0 のとき,x≧0 なら x3≧0,−ax≧0 である。したがって F(x)=x3−ax+1≧1>0 となり,条件を満たす。
次に a>0 とする。このとき F′(x)=3x2−a であり,x≧0 では x=a/3 で F′(x) の符号が負から正に変わる。よって F(x) はこの点で最小値をとる。
最小値はF(3a)=(3a)3−a3a+1=1−332a3/2である。したがって,すべての x≧0 で F(x)≧0 となるための条件は 1−332a3/2≧0 である。a>0 なので,これは 2a3/2≦33 すなわち a≦(427)1/3=343 と同値である。 a≦0 の場合もこの範囲に含まれるので,求める範囲は a≦343 である。
別解
解法2
方針
x>0 では不等式を a≦x2+1/x と変形する。
したがって「すべての x」という条件は、右辺の最小値を求める問題に置き換わる。
解答
x=0 では左辺は1なので、a によらず条件を満たす。
x>0 ではx3−ax+1≧0⟺a≦x2+x1.よって必要十分条件は、a がg(x)=x2+x1(x>0)の最小値以下であることである。g′(x)=2x−x21=x22x3−1より、g は x=2−1/3 まで減少し、その後増加する。したがってx>0ming(x)=g(2−1/3)=2−2/3+21/3=343.ゆえに求める範囲はa≦343.端点では x=2−1/3 で等号が実現するので、端点を含む。
総評
三次式の非負条件を最小値で判定する問題である。目安時間は14分。a≦0 は先に処理すると,微分で扱うべき範囲が a>0 に絞られる。最小点 x=a/3 を代入した後,a3/2 の不等式を解くところで計算ミスが出やすい。別解の a≦x2+1/x は,条件が「すべての x」であることを最小値に言い換える見通しのよい方法である。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合し、高校数学の範囲内で完結させた。
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出典: 東北大学 1992年度 後期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。