Evolton

東北大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

xに関する3次方程式(x+a)33xa2=0が負の解をもたないように実数aの範囲を定めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安25

方程式・不等式微分 増減表、範囲評価、必要十分条件

方針

負の解をもたない条件は、三次関数 F(x)=(x+a)33xa2 が半直線 x<0 で0にならない条件である。x では F(x) なので、x<0 での最大値が0未満であればよい。極大点 x=a1 が負の範囲に入るか、また端点 x=0 に近づくときの値がどうなるかを場合分けして、必要十分条件を得る。

解答

(1) F(x)=(x+a)33xa2 とおく。求める条件は、x<0 において F(x)=0 となる x が存在しないことである。

まず limxF(x)= である。したがって、x<0 で一度でも F(x)>0 になれば、その手前で0を通り、負の解をもつ。逆に x<0 で常に F(x)<0 なら負の解をもたない。

導関数は F(x)=3(x+a)23=3{(x+a)21} である。よって極値をとる候補は x=a1,x=a+1 である。符号変化から、x=a1 が極大点、x=a+1 が極小点である。 a1 のとき、極大点 a10 以上であり、x<0 では F(x) は増加し続ける。また F(0)=a3a2=a2(a1)<0 なので、x<0 では常に F(x)<0 である。したがってこの場合は条件を満たす。

次に a>1 とする。このとき極大点 a1 は負の範囲に入る。負の解をもたないためには、この極大値が0未満でなければならない。実際、極大値が0以上なら、 で負だった値が0に達するので負の解をもつ。

極大値は F(a1)=(1)33(a1)a2=a2+3a+2 である。したがって必要な条件は a2+3a+2<0 である。これは a23a2>0 すなわち a<3172またはa>3+172 である。

ただし a>1 の場合は F(0)=a2(a1)>0 であり、x<0 のどこかで0を通る。したがって a>1 は除かれる。結局、a>1 の範囲で残るのは 1<a<3172 である。a1 の場合と合わせて a<3172 である。

等号 a=(317)/2 では、負の極大点で F(x)=0 となるため、負の解をもつ。したがって等号は含まない。

負の半直線と極大点

別解

解法2

方針

変数を u=x+a と移し、負の解に対応する半直線 u<a 上で三次式 u33u+3aa2 の符号を調べる。端点と極大値を比較し、等号で負の重解が生じることまで確認する。

解答

u=x+a とおくと、方程式はH(u)=u33u+3aa2=0となり、負の解 x<0u<a の解に対応する。H(u)
(u) であり、H(u)=3(u21)だから極大点は u=1 である。

a1 なら半直線 u<a は極大点の左側にあり、H はそこで増加する。
さらにH(a)=a3a2=a2(a1)<0だから u<a では H(u)<0 で、負の解はない。

a>1 なら極大点 u=1u<a に入る。負の解を生じさせないためにはH(1)=a2+3a+2<0が必要である。また a>1 では H(a)>0 なので、連続性から u<a
零点が生じる。したがって a1 のもとで上の不等式を解けばa<3172を得る。等号では u=1<a が零点になるため含まれない。

総評

負の半直線上で三次関数の最大値を調べる問題。目安時間は25分前後。x<0 が開区間であるため、端点 x=0 の値と、内部の極大点を分けて見る必要がある。特に a>1 では F(0)>0 となり、極大値だけでなく0に近い側で根が出る点を落としやすい。等号では負の重解をもつので、最後は不等号を厳密に処理したい。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。

冊子PDFで見る東北大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。