方針
は の転置行列なので、条件 を に直す。これは の2本の列ベクトルが、ともに長さ で互いに垂直であることを意味する。列の長さと内積条件から を導き、さらに で の候補を絞る。円の移った図形は、長さが常に 倍されることから決める。
解答
(1)
与えられた2つの行列を見ると である。条件 より であるから、右から を掛けて を得る。これは、 の2つの列ベクトルがともに長さ で、互いに垂直であることを表す。
第1列と第2列はそれぞれである。したがって が成り立つ。 とおくと、上の2つの長さ条件から である。また内積条件を2乗すると である。よって となり、整理して を得る。したがって である。 かつ なので、候補は である。 のときは だから、内積条件より となり、条件 に反する。したがって である。
このとき であり、長さ条件から である。さらに内積条件から である。よって の2通りである。
したがって求める行列はまたはである。
(2)
(1) で得たどちらの行列についても が成り立つ。点 を列ベクトル とし、移った点を とすると である。
もとの点が円 上を動くとき、移った点 は を満たす。逆に は逆行列をもつので、この円周上の各点はもとの円周上の点から移ってくる。したがって求める図形は で表される円である。
単位円の像
別解
解法2
方針
逆行列を成分表示して条件を直接比較する。行列式を消去して三角関数と の関係を決め、最後に から像の方程式を得る。
解答
(1) である。 の各成分を比較し、両辺に を掛けると第2・第3式から、 の場合は が得られ、
第1・第4式も合わせると列の長さはともに 、内積は0となる。
すなわちこの成分条件を解くとしたがって(2)
像の点を とするとよって単位円の像はである。
総評
逆行列条件を長さと直交の条件へ変換する行列問題。目安時間は25分前後。 に気づけば となり、列ベクトルの長さと内積だけで処理できる。 の後、 によって を除くところが重要である。(2)は個別に点を追うより、 を示すと短く確実である。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。