方針
an は1つ前の関数の積分値として定義されているので、まず fn(x) を an,an−1 で表す。これを [0,1] で積分すると an+1 の漸化式が得られる。漸化式は階差 an+1−an を見ると等差的に解けるので、an を求めてから fn(x) に戻す。
解答
(1)
定義より、n≧3 では fn(x)=3x2+4x∫01fn−1(t)dt−∫01fn−2(t)dt である。ここで an=∫01fn−1(t)dt だから、n≧2 について fn(x)=3x2+4anx−an−1 と書ける。実際、n=2 でも a2=∫01f1(t)dt=1、a1=0 より f2(x)=3x2+4x となり一致する。
この式を 0 から 1 まで積分すると an+1=∫01fn(x)dx=∫01(3x2+4anx−an−1)dx である。したがって an+1=1+2an−an−1 である。添字を1つ下げれば、n≧3 に対して an=1+2an−1−an−2 である。
(2)
まず a1=0,a2=∫01f1(t)dt=∫013t2dt=1 である。(1)の漸化式を an+1−an=(an−an−1)+1 と書く。ここで dn=an+1−an とおくと dn=dn−1+1 であり、d1=a2−a1=1 だから dn=n である。したがって an=a1+k=1∑n−1dk=k=1∑n−1k=2n(n−1) である。
よって fn(x)=3x2+4anx−an−1 に代入して fn(x)=3x2+2n(n−1)x−2(n−1)(n−2) を得る。n=1 でも右辺は 3x2 となるので、すべての n≧1 について fn(x)=3x2+2n(n−1)x−2(n−1)(n−2) である。
別解
解法2
方針
得られる2階漸化式の特解を先に見抜き、差を取らずに同次化する。初期値がともに0になることから数列を一意に決め、関数列へ戻す。
解答
(1)
定義からfn(x)=3x2+4anx−an−1である。両辺を 0 から 1 まで積分すればan+1=1+2an−an−1,したがってan=1+2an−1−an−2(n≧3).(2)
この漸化式の特解としてpn=2n(n−1)を取れる。bn=an−pn とおくとbn+1=2bn−bn−1.一方、a1=0, a2=1 であり、p1=0, p2=1 だから
b1=b2=0 である。よって帰納的に bn=0、すなわちan=2n(n−1).これを fn(x)=3x2+4anx−an−1 へ代入してfn(x)=3x2+2n(n−1)x−2(n−1)(n−2)を得る。
総評
積分で定義された関数列を、数列の漸化式へ落とす問題。目安時間は20分前後。fn(x)=3x2+4anx−an−1 と書けることを確認すると、あとは積分だけで進む。階差 an+1−an を導入すれば計算は短い。最後に n=1 でも得られた式が成り立つことを確認すると、場合分けのないきれいな結論になる。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。
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出典: 東北大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。