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東北大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

空間に3点A(2, 2, 0),B(1, −1, 2),C(−1, 1, 2)が与えられている.

(1) ベクトルAB→とAC→のなす角を求めよ.

(2) 3点A,B,Cを通る平面Sの方程式を求めよ.

(3) 原点Oを通る球面で,平面Sによる切り口が三角形ABCの内接円となるものの方程式を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30分

ベクトル、図形と方程式 内積の利用、座標設定、円の性質

方針

(1) は AB→,AC→ の長さと内積から角を求める。(2) は同じ2本のベクトルに垂直な法線を取り,平面方程式を作る。(3) では三角形 ABC が正三角形であることから内心と内接円半径を求め,球の中心が内心を通る平面 S の法線上にあること,さらに原点を通ることを条件にして中心と半径を決める。

解答

(1) AB→=(1−2,−1−2,2),AC→=(−1−2,1−2,2)である。長さの2乗は ∣AB→∣2=(1−2)2+(−1−2)2+2=8 であり,同様に ∣AC→∣2=8 である。また内積はAB→⋅AC→=(1−2)(−1−2)+(−1−2)(1−2)+2=4である。したがってなす角を α とすると cos⁡α=488=12 であり,α=60∘ である。

(2) (1) の2本のベクトルに垂直なベクトルとして (1,1,2) を取れる。実際,(1,1,2) と AB→,AC→ の内積はいずれも0である。したがって平面 S の方程式は x+y+2z=k と書ける。点 A(2,2,0) を代入して k=22 だから x+y+2z=22 である。

(3) まず三角形 ABC について確認する。(1) より ∣AB∣=∣AC∣=22,また ∣BC∣=(−2)2+22=22 であるから,三角形 ABC は正三角形である。したがって内心は重心でもあり,I=A+B+C3=(23,23,223)である。辺の長さが 22 の正三角形の内接円半径は ρ=22⋅36=63 である。

求める球の中心を M とする。平面 S による切り口の円の中心は,球の中心から平面 S に下ろした垂線の足である。したがって,その切り口が三角形 ABC の内接円であるためには,垂線の足が I でなければならない。よって M は I を通り,平面 S に垂直な直線上にある。法線ベクトルは (1,1,2) なので M=I+λ(1,1,2) とおける。

球は原点 O を通るので,球の半径の2乗は ∣M∣2 である。一方,平面 S と球の切り口の半径は ρ であり,中心 M から平面までの距離の2乗は λ2{12+12+22}=6λ2 である。したがって ∣M∣2=ρ2+6λ2 が成り立つ。

ここで ∣I∣2=43,I⋅(1,1,2)=22,ρ2=23 であるから ∣I+λ(1,1,2)∣2=43+42λ+6λ2 である。これを 23+6λ2 と等しくして 43+42λ=23 より λ=−162 である。したがって M=(24,24,22) となる。半径の2乗は ∣M∣2=18+18+12=34 である。よって求める球面は(x−24)2+(y−24)2+(z−22)2=34である。

【球面と平面の切り口】

別解

解法2

方針

球面を「中心+半径」で最後に組み立てる代わりに、切り口の中心から球の中心までの符号付き距離を未知数にする。原点を通る条件を距離の三平方へ代入して一元一次方程式にする。

解答

(1) AB→=(1−2,−1−2,2),AC→=(−1−2,1−2,2).両者の長さは 22、内積は4なのでcos⁡∠BAC=48=12.よって ∠BAC=60∘ である。

(2)
(1,1,2) は AB→,AC→ の両方と
垂直である。点 A を代入してS: x+y+2z=22を得る。

(3)
3辺はいずれも 22 なので、三角形 ABC は正三角形である。
その内心と内接円半径はI=(23,23,223),ρ=63.単位法線をe=16(1,1,2)とし、球の中心を M=I+he とおく。平面 S による
切り口の半径が ρ なので、球の半径の2乗は
ρ2+h2 である。一方、球は原点を通るから半径の2乗は∣M∣2=∣I∣2+2h(I⋅e)+h2.ここで∣I∣2=43,I⋅e=23,ρ2=23なので43+43h+h2=23+h2.したがって h=−1/(23) でありM=(24,24,22).さらに ∣M∣2=3/4 だから、球面は(x−24)2+(y−24)2+(z−22)2=34である。

総評

難度は10段階中8、計算量は10段階中7。目安時間は30分。(1)(2) は空間ベクトルの標準計算だが,(3) は切り口の円と球の中心の関係を正しく理解する必要がある。平面による球の切り口の中心は,球の中心から平面へ下ろした垂線の足であるため,球の中心は内心を通る法線上にある。この幾何条件を式に直せば解けるが,内接円半径,法線方向,原点を通る条件のどれかを落とすと答えがずれる。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。図を含む場合は本文との対応と縮尺に依存しない論証も確認している。

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出典: 東北大学 1995年度 後期日程 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。