方針
0<a<1なので、積分区間[0,1]を[0,a]と[a,1]に分けて絶対値を外す。グラフはx<aでx(a−x)、x≧aでx(x−a)となる2つの放物線をつないだ形である。g(a)をaの式として求め、微分して最小点を決定する。
解答
(1) 0<a<1であり、f(x)=x∣x−a∣={x(a−x)x(x−a)(x<a),(x≧a)である。x<aではf(x)=−x2+axで、上に凸の放物線である。x≧aではf(x)=x2−axで、下に凸の放物線である。グラフはx=0とx=aでx軸と交わり、x=aで折れ曲がる。
(2)
積分区間をaで分けると g(a)=∫0ax(a−x)dx+∫a1x(x−a)dx である。第1項は ∫0a(ax−x2)dx=6a3 である。第2項は∫a1(x2−ax)dx=[3x3−2ax2]a1=31−2a+6a3である。したがって g(a)=3a3−2a+31=62a3−3a+2 である。
微分すると g′(a)=a2−21,g′′(a)=2a である。0<a<1ではg′′(a)>0なので、g′(a)=0となる点で最小値をとる。よって a2=21 より a=21 である。
別解
解法2
方針
絶対値を x=a で外してグラフを描く。積分値の最小化では積分を先に展開せず、動く境界を含む積分を直接微分して g′(a) を簡潔に求める。
解答
(1) f(x)={x(a−x),x(x−a),x<a,x≧a.従って x<a では下向き、x≧a では上向きの放物線であり、x=0,a で x 軸と交わる。x=a では左右の式が連続につながるが、傾きは異なる。
(2) g(a)=∫0ax(a−x)dx+∫a1x(x−a)dxと書く。積分区間の端 x=a では両被積分関数が0なので、微分したときの境界項は消える。従ってg′(a)=∫0axdx−∫a1xdx=2a2−21−a2=a2−21.0<a<1 では g′′(a)=2a>0 だから、唯一の停留点a=21で最小となる。なお積分を実行すればg(a)=3a3−2a+31であり、同じ結論を確認できる。
総評
難度5、計算量4。目安時間は16分。絶対値を外す分点がx=aであり、しかもaが積分範囲内にあることを使う。グラフではx=aで折れ曲がること、積分では[0,a]と[a,1]に分けることが中心である。別解のように、積分を全部展開せずに増減だけを見る方法も有効である。
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出典: 東北大学 1997年度 後期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。