方針
まず対数の真数条件から x<0 または x>1 に分ける。x>1 では対数が負になり左側の不等式に反するので除外し、x<0 で右側の不等式だけを処理する。(2)ではさらに 3x≦x3+2 が必要なので、(1)の範囲と交差させ、上下差を積分して面積を出す。
解答
(1)
まず対数の真数条件を調べる。 x3x3−1=1−x31>0 でなければならない。これは x<0またはx>1 である。 x>1 のときは 0<x3x3−1<1 なので log2x3x3−1<0 である。しかし x>1 だから、x≦log2((x3−1)/x3) は成り立たない。したがって x>1 は除かれる。
次に x<0 とする。このとき x3x3−1>1 なので対数は正である。したがって左側の不等式 x≦log2x3x3−1 は自動的に成り立つ。残る条件は log2x3x3−1≦1 である。底が2で1より大きいので、これは x3x3−1≦2 と同値である。すなわち 1−x31≦2 より −x31≦1 である。x3<0 なので両辺に x3 を掛けると不等号の向きが変わり、−1≧x3 となる。したがって x≦−1 である。
よって求める範囲は x≦−1 である。
(2)
(1) より、対象となる x は x≦−1 である。また図形 3x≦y≦x3+2 が存在するためには 3x≦x3+2 が必要である。これは x3−3x+2≧0 であり、因数分解すると (x−1)2(x+2)≧0 である。(x−1)2≧0 だから、x=1 では符号は x+2 で決まる。x≦−1 と合わせると −2≦x≦−1 である。
したがって面積 A は A=∫−2−1{(x3+2)−3x}dx である。計算すると A=[4x4−23x2+2x]−2−1 =(41−23−2)−(4−6−4)=411 である。よって A=411 である。
面積を与える区間
別解
解法2
方針
負の範囲では u=−x と置き、対数不等式を正の変数の不等式へ直す。面積は上下差を先に因数分解し、符号から積分区間を確定する。
解答
(1)
真数条件は x<0 または x>1 である。x>1 では対数が負でx≦log2((x3−1)/x3) に反する。
x=−u, u>0 とおくとx3x3−1=1+u31.左側の不等式は自動的に成り立ち、右側は1+u31≦2すなわち u≧1 である。よってx≦−1.(2)
上下差はx3+2−3x=(x−1)2(x+2).x≦−1 と合わせると、領域が存在する範囲は−2≦x≦−1.したがってA=∫−2−1(x3−3x+2)dx=411.
総評
対数不等式と面積計算をつなぐ問題。目安時間は20分前後。真数条件で x<0 と x>1 が出るが、x>1 は対数が負になるためすぐ除外できる。x<0 で不等式に x3 を掛けるとき、不等号の向きが変わる点が注意点である。面積では (x−1)2(x+2) の符号から [−2,−1] に絞ると、積分範囲を迷わない。 2解法の結論を照合し、端点・符号・定義域・必要十分性を再確認した。 図は本文の論証を補助するものであり、縮尺に依存せず結論が得られる。
冊子PDFで見る東北大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。