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東北大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

行列A=(4a+1b44c−1)において
a,b,cはすべて整数であり,A2=E(Eは単位行列)とする.

(1) bおよびcをaの式で表せ.
(2) 行列P=(pqrs)が存在して,
AP=P(100−1)が成り立つとき,
行列Pの成分をaの式で表せ.
ただし,p,q,r,sはすべて整数でps−qr=1とする.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22分

行列、整数 恒等式比較、計算整理、必要十分条件

方針

(1) は A2=E を成分比較し、下左成分から c=−a、上左成分から b=−2a(2a+1) を得る。(2)では AP=P(100−1) を列ごとに読み、第1列 u は Au=u、第2列 v は Av=−v を満たすとして直接連立一次方程式を解く。最後に ps−qr=1 から整数倍率を決める。

解答

(1) A=(4a+1b44c−1)である。A2=E の左下成分を比べると 4(4a+1)+4(4c−1)=0 であるから 16a+16c=0,c=−a を得る。次に左上成分を比べると (4a+1)2+4b=1 である。よって 16a2+8a+4b=0 となり、b=−4a2−2a=−2a(2a+1) である。

(2)
(1)よりA=(4a+1−2a(2a+1)4−4a−1)である。P の第1列を Cpr、第2列を Cqs とする。条件AP=P(100−1)は、列ごとに ACpr=Cpr,ACqs=−Cqs を意味する。

まず ACpr=Cpr を考える。下の成分から 4p+(−4a−1)r=r すなわち 4p=(4a+2)r である。したがって整数 m を用いて Cpr=mC2a+12 と表せる。

次に ACqs=−Cqs を考える。下の成分から 4q+(−4a−1)s=−s であるから 4q=4as となる。したがって整数 n を用いて Cqs=nCa1 と表せる。

よってP=(m(2a+1)na2mn)である。この行列式は ps−qr=mn((2a+1)−2a)=mn である。条件 ps−qr=1 より mn=1 であり、整数 m,n については (m,n)=(1,1),(−1,−1) の2通りである。したがってP=(2a+1a21)またはP=−(2a+1a21)である。

別解

解法2

方針

(1) はA²の必要な2成分だけを比較する。(2)は整数行列の候補を直接構成して恒等式と行列式を検算し、固有方向の互いに素な成分から他の候補がないことを示す。

解答

(1)

A2=E の左下成分から4(4a+1)+4(4c−1)=0,よって c=−a である。左上成分から(4a+1)2+4b=1なのでb=−2a(2a+1).(2)P0=(2a+1a21)と置く。直接掛け算するとAP0=P0(100−1),det⁡P0=1.したがって P=P0 と P=−P0 はともに条件を満たす。

他の可能性も確認する。第1列は A の固有値1の整数ベクトルなので(p,r)=m(2a+1,2),第2列は固有値 −1 の整数ベクトルなので(q,s)=n(a,1).2a+1 と2、また a と1はそれぞれ互いに素だから、この整数倍表示で漏れはない。行列式は mn となり、mn=1 から(m,n)=(1,1), (−1,−1).よってP=±(2a+1a21).

総評

難度6、計算量5。目安時間は22分。行列の抽象的な性質を使わなくても、成分比較と列ベクトルの連立方程式だけで解ける。A2=E では必要な成分を選んで b,c を出し、(2)では右から対角行列を掛ける意味を「第1列はそのまま、第2列は符号が反転」と読むのが要点である。最後の mn=1 で符号2通りを落とさないこと。

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出典: 東北大学 1998年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。