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東北大学 2000年度 前期日程理系数学 第1問

E=(1001),
K=(0110)とし,
p,qを実数とする.

(1) (aE+bK)2=pE+qKとなる実数a,bが存在するためには,
p,qがどんな条件を満たすことが必要十分であるか.

(2) p,qがp2+q2=2を満たし,さらに(aE+bK)2=pE+qK(cE+dK)2=qE−pKとなる実数a,b,c,dが存在するとする.
このとき,p,qの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20分

行列 式変形、必要十分条件、範囲評価

方針

K2=E を使って (aE+bK)2 を E と K の係数で比較する。p=a2+b2、q=2ab から p+q=(a+b)2、p−q=(a−b)2 という2つの平方条件に直すのが核心である。後半は同じ条件を pE+qK と qE−pK の両方に適用し、p2+q2=2 と合わせて値を確定する。

解答

(1) K2=E、EK=KE=K であるから (aE+bK)2=a2E+abK+baK+b2K2=(a2+b2)E+2abK である。したがって p=a2+b2,q=2ab でなければならない。このとき p+q=(a+b)2≧0,p−q=(a−b)2≧0 であるから p≧∣q∣ が必要である。

逆に p≧∣q∣ とする。このとき p+q≧0、p−q≧0 なので a+b=p+q,a−b=p−q を満たす実数 a,b を取ることができる。この a,b について a2+b2=p,2ab=q が成り立つ。よって必要十分条件は p≧∣q∣ である。

(2)
第1の式 (aE+bK)2=pE+qK に対して(1)を用いると p≧∣q∣ である。第2の式 (cE+dK)2=qE−pK に対して(1)を用いると、E の係数が q、K の係数が −p だから q≧∣−p∣=∣p∣ である。

前者から p≧0、後者から q≧0 である。また p≧∣q∣ より p≧q、q≧∣p∣ より q≧p なので p=q≧0 となる。さらに p2+q2=2 より 2p2=2 であるから、p≧0 に注意して p=q=1 を得る。

別解

解法2

方針

E+K と E−K を同時固有方向として用い、平方根の存在を2つの実数の平方条件へ分解する。

解答

(1) U=12(111−1)とおくとU−1KU=(100−1).したがってU−1(aE+bK)2U=((a+b)200(a−b)2),一方U−1(pE+qK)U=(p+q00p−q).よって実数 a,b が存在するための必要十分条件はp+q≧0,p−q≧0,すなわち p≧∣q∣ である。

(2)
第1の平方根の存在から p≧∣q∣、第2の平方根の存在からq≧∣−p∣=∣p∣を得る。したがって p,q≧0 かつ p=q である。p2+q2=2へ代入すると 2p2=2 なのでp=q=1.

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安は20分。K2=E に気づけば計算は短いが、必要条件だけで止めず、a+b、a−b を指定して十分性まで示すのが重要である。(2)では第2式に対して条件を適用するとき、qE−pK の K 係数は −p であるため q≧∣p∣ になる。ここを q≧p だけで済ませると符号条件が弱く見えるので注意したい。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 東北大学 2000年度 前期日程 数学 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。