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東北大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

0<θ<π2 とし、行列 A,EA=(cos2θsin2θcos22θsin22θ),E=(1001)によって定める。

(i) 行列 AtE の逆行列が存在しないとき、t を求めよ。

(ii) (i)で求めた t がすべて正の数となるような θ の範囲を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列三角関数 恒等式比較、範囲評価、三角比の利用

方針

逆行列が存在しない条件は det(AtE)=0 である。行列 A は各行の和が 1 なので、t=1 が一つの解になる。もう一つの解は、2次式 det(AtE) の定数項、すなわち detA から求める。正の条件は cos2θcos22θ>0 を因数分解し、0<θ<π/2 で符号を調べる。

解答

(i) AtE の逆行列が存在しない条件は det(AtE)=0 である。行列 A の各行の成分の和は cos2θ+sin2θ=1,cos22θ+sin22θ=1 であるから、t=1 のとき AE の各行の和は 0 となり、逆行列をもたない。

また det(AtE)t についての2次式で、t2 の係数は 1 である。2つの解の積は detA だから、もう一つの解を t2 とすると 1t2=detA である。したがってt2=cos2θsin22θsin2θcos22θ=cos2θ(1cos22θ)(1cos2θ)cos22θ=cos2θcos22θ.よって求める tt=1,t=cos2θcos22θ である。

(ii) t=1 は常に正である。したがって、もう一つの値が正である条件を調べればよい。cos2θcos22θ=(cosθcos2θ)(cosθ+cos2θ)である。0<θ<π/2 では cosθ>0 であり、cosθcos2θ>0 が成り立つ。よって必要十分条件は cosθ+cos2θ>0 である。 c=cosθ とおくと、0<c<1 であり、cos2θ=2c21 だから cosθ+cos2θ=2c2+c1=(2c1)(c+1). c+1>0 なので、条件は 2c1>0 すなわち cosθ>12 である。したがって 0<θ<π3 である。

別解

解法2

方針

行列式を t の2次式として直接展開する。三角関数の基本関係で係数を整理すると直ちに因数分解でき、2つの t と正値条件が同時に見える。

解答

det(AtE)=(cos2θt)(sin22θt)sin2θcos22θ=t2(cos2θ+sin22θ)t+cos2θcos22θ.ここでcos2θ+sin22θ=1+cos2θcos22θだからdet(AtE)=(t1){t(cos2θcos22θ)}.よってt=1,t=cos2θcos22θ.両方が正であるためには、後者が正であればよい。cos2θcos22θ=(cosθcos2θ)(cosθ+cos2θ).0<θ<π/2 ではcosθcos2θ>0 なので、cosθ+cos2θ>0.c=cosθ とおくと2c2+c1=(2c1)(c+1)>0.0<c<1 より c>1/2 であり、0<θ<π3.

総評

難度6、計算量5。逆行列が存在しない条件は行列式が0になること。t=1 は行和から見抜けるが、もう一つの値の正負は cosθ+cos2θ まで因数分解して判定する。 2解法の最終値を照合し、境界条件・符号・定義域も確認した。

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出典: 東北大学 1996年度 前期日程 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。