方針
逆数列を具体的に 1/an=1/a+(n−1)d と書き、隣り合う逆数の差から anan+1 を an−an+1 の形に直す。すると和が望ましい形で消える。d=0 では同じ変形が使えないため、定数列として別に扱う。
解答
逆数列が初項 1/a、公差 d の等差数列であるから an1=a1+(n−1)d である。まず d=0 の場合を考える。このとき an+11−an1=d である。左辺を通分すると anan+1an−an+1=d なので anan+1=dan−an+1 である。したがって部分和はa1a2+a2a3+⋯+anan+1=d1{(a1−a2)+(a2−a3)+⋯+(an−an+1)}=da1−an+1となる。
ここで d=0 なら an+11=a1+nd の絶対値は n とともに大きくなるので、an+1→0 である。よってn→∞lim(a1a2+a2a3+⋯+anan+1)=da1=daである。
一方 d=0 のときは 1/an=1/a であり、すべての n について an=a である。したがって部分和は na2 となる。a=0 だから na2→+∞ であり、有限な極限は存在しない。
別解
解法2
方針
an を n の有理式として明示し、隣接積を部分分数分解して望ましい形にする。d=0 は定数列として発散先まで分ける。
解答
等差数列の条件からan=1+(n−1)ada.d=0 のときanan+1={1+(n−1)ad}(1+nad)a2=d1{1+(n−1)ada−1+nada}=dan−an+1.したがってj=1∑najaj+1=da1−an+1.an+1→0 なのでn→∞limj=1∑najaj+1=da.d=0 のときは an=a であり、a=0 だからj=1∑najaj+1=na2⟶+∞.よって有限値 a/d は d=0 の場合に限る。
総評
難度5、計算量4。目安時間は15分。逆数が等差数列であることを、隣り合う逆数の差に使うと積が階差に変わる。ここが見えれば和はすぐに消える。注意点は、d=0 を同じ式に代入しないことと、d=0 では an+1→0 を逆数の一次式から確認することである。 d=0 では na2→+∞ と発散先まで明示する。
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出典: 東北大学 1998年度 後期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。