方針
(1) はn=1,2を確認してから、n≧2で帰納法のステップを示す。3n+1>3n2と3n2≧(n+1)2をつなぐ。(2)は各項を3kk−1−3k+1kの階差形に直して和を取る。(3)は(2)の等式、等比数列の和、そして(1)から従う3n+1n→0を使う。
解答
(1) n=1では 31=3>1=12 で成り立つ。またn=2では 32=9>4=22 で成り立つ。 n≧2として、3n>n2が成り立つと仮定する。このとき 3n+1=3⋅3n>3n2 である。一方、3n2−(n+1)2=2n2−2n−1 であり、n≧2では正である。したがって 3n2>(n+1)2 なので 3n+1>(n+1)2 が成り立つ。よって数学的帰納法により、すべての自然数nで3n>n2である。
(2)
定義より 32Sn=k=1∑n3k+12k であり、k=1∑n3k1=k=1∑n3k+13 である。したがって32Sn−k=1∑n3k1=k=1∑n3k+12k−3である。
ここで 3k+12k−3=3kk−1−3k+1k であるから、和を取ると途中の項が消え、k=1∑n(3kk−1−3k+1k)=−3n+1nとなる。よって 32Sn−k=1∑n3k1=−3n+1n である。
(3)
(1)より3n>n2であるから 0<3n+1n<3n2n=3n1 であり、3n+1n→0 である。またk=1∑∞3k1=1−3131=21である。(2)でn→∞とすると 32n→∞limSn−21=0 である。したがって n→∞limSn=43 である。
別解
解法2
方針
不等式は数学的帰納法で証明する。和は問題の恒等式を有限等比級数と組み合わせて厳密な閉形式にし、誤差項が0へ収束することから極限を得る。
解答
(1)
n=1 では 3>1、n=2 では 9>4 である。n≧2 で 3n>n2 と仮定すると3n+1>3n2.また3n2−(n+1)2=2n2−2n−1>0だから 3n+1>(n+1)2。従ってすべての自然数 n で成立する。
(2) Sn=k=1∑n3kkに対し32Sn−k=1∑n3k1=k=1∑n3k+12k−3=k=1∑n(3kk−1−3k+1k)=−3n+1n.途中の項が相殺するので、示すべき恒等式を得る。
(3)
有限等比級数k=1∑n3k1=21(1−3n1)を(2)へ代入して整理するとSn=43−4⋅3n2n+3.(1)から0<3n2n+3<n22n+3⟶0なのでn→∞limSn=43.
総評
難度5、計算量4。目安時間は18分。帰納法、階差形の和、極限を順に使う誘導問題である。(1)ではn=1からのステップだけを無理に一般化せず、n=2も基底として確認すると不等式3n2≧(n+1)2を安全に使える。(2)の変形が見えれば、(3)は自然に決まる。
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出典: 東北大学 1997年度 後期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。