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東北大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

3つの角α,β,γ (−90∘<α, β, γ<90∘)がtan⁡α+tan⁡β+tan⁡γ=tan⁡αtan⁡βtan⁡γをみたすとき,α+β+γの値をすべて求めよ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安8分

三角関数 式変形、三角比の利用、場合分け

方針

各角は −90∘ と 90∘ の間にあるので、いずれの余弦も0ではない。したがって、与式を正接の加法定理の分子として扱える。分母が0の場合を避けて議論するより、sin⁡(α+β+γ) を tan⁡α,tan⁡β,tan⁡γ で表すと、条件から直接0になる。最後は α+β+γ の範囲が −270∘ より大きく 270∘ より小さいことを使い、180∘ の整数倍のうち可能なものだけを残す。

解答

cos⁡α,cos⁡β,cos⁡γ はすべて0でない。そこで sin⁡(α+β+γ) を加法定理で展開する。まずsin⁡(α+β+γ)=sin⁡αcos⁡βcos⁡γ+cos⁡αsin⁡βcos⁡γ+cos⁡αcos⁡βsin⁡γ−sin⁡αsin⁡βsin⁡γである。右辺から cos⁡αcos⁡βcos⁡γ をくくるとsin⁡(α+β+γ)=cos⁡αcos⁡βcos⁡γ{tan⁡α+tan⁡β+tan⁡γ−tan⁡αtan⁡βtan⁡γ}となる。

与えられた条件より、波括弧内は0である。したがって sin⁡(α+β+γ)=0 である。よって α+β+γ=180∘k を満たす整数 k が存在する。

一方、各角の範囲から −270∘<α+β+γ<270∘ である。したがって、この範囲に入る 180∘ の整数倍は −180∘,0∘,180∘ だけである。

また、これらはいずれも実際に起こる。例えば(α,β,γ)=(−60∘,−60∘,−60∘),(0∘,0∘,0∘),(60∘,60∘,60∘)はいずれも条件を満たし、和は順に −180∘,0∘,180∘ である。よって求める値は −180∘, 0∘, 180∘ である。

別解

解法2

方針

まず 1−tan⁡αtan⁡β≠0 を確認し、2角の正接加法定理へ帰着する。和の範囲と実現例まで確認する。

解答

x=tan⁡α、y=tan⁡β、z=tan⁡γ とおく。もし 1−xy=0 なら、条件式から x+y=0 となる。しかし xy=1 と x+y=0 を同時に満たす実数 x,y はない。よって 1−xy≠0 である。

与式 x+y+z=xyz よりx+y1−xy=−z.したがってtan⁡(α+β)=−tan⁡γ=tan⁡(−γ)であり、α+β+γ=180∘k(k∈Z).各角が −90∘ と 90∘ の間にあるので、和は −270∘ と 270∘ の間にある。よって候補は−180∘,0∘,180∘.これらはそれぞれ(−60∘,−60∘,−60∘),(0∘,0∘,0∘),(60∘,60∘,60∘)で実現する。したがって求める値は−180∘,0∘,180∘.

総評

加法定理の分子を見抜く三角関数の標準問題である。目安時間は8分程度。答案では、正接の加法定理をそのまま書くと分母が0の場合を見落としやすいため、sin⁡(α+β+γ) の展開から処理すると堅い。最後に角度範囲を使って候補を −180∘,0∘,180∘ に絞り、実際にそれらが可能であることまで触れると「すべて求めよ」に対する答案として完成する。

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出典: 東北大学 1999年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。