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東北大学 2008年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

nは自然数とする.
平面上の曲線C:y=x2−nとx軸が囲む領域内にあり,
x座標とy座標の値が共に整数であるような点の総数をanとおく.
ただし,曲線C上の点およびx軸上の点も含むとする.
n12を超えない最大の整数をmnとおくとき,
以下の問いに答えよ.

(1) anをnとmnで表せ.

(2) lim⁡n→∞ann32を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20分

整数、数列 数え上げ、和の計算、極限計算

方針

領域内の整数点を x 座標ごとに数える。x2≦n を満たす整数 x は −mn から mn までで,その各 x に対して整数 y は x2−n≦y≦0 の範囲にある。和を取って an を表し,極限では mn≦n<mn+1 から mn/n→1 を使って各因子を評価する。

解答

(1)
曲線 C:y=x2−n と x 軸で囲まれる領域は x2−n≦y≦0 で表される。整数点が存在するには,まず x2≦n でなければならない。 mn は n を超えない最大の整数であるから,整数 x の範囲は −mn≦x≦mn である。このような x を1つ固定すると,整数 y は x2−n≦y≦0 を満たす。下端と上端を含むので,その個数は 0−(x2−n)+1=n−x2+1 である。

したがって an=∑x=−mnmn(n−x2+1) である。これを整理すると an=(2mn+1)(n+1)−∑x=−mnmnx2 であり,∑x=−mnmnx2=2∑j=1mnj2=2⋅mn(mn+1)(2mn+1)6=mn(mn+1)(2mn+1)3だから an=(2mn+1)(n+1)−mn(mn+1)(2mn+1)3 である。

(2) mn≦n<mn+1 より 1−1n<mnn≦1 である。したがって mnn→1 である。

(1) の式を n3/2 で割るとann3/2=(2mn+1)(n+1)n3/2−mn(mn+1)(2mn+1)3n3/2である。第1項は 2mn+1n(1+1n)→2 である。第2項は13⋅mnn⋅mn+1n⋅2mn+1n→13⋅1⋅1⋅2=23である。

よって lim⁡n→∞ann3/2=2−23=43 である。

別解

解法2(リーマン和)

方針

(1) は各整数 x の上に並ぶ格子点を縦に数える。(2)では x/n を新しい変数と見て、主項を区間 [−1,1] 上の 1−u2 のリーマン和にする。

解答

(1) mn=⌊n⌋ とする。整数 x を固定すると、領域内の整数 y はx2−n≦y≦0を満たすので n−x2+1 個ある。よってan=∑x=−mnmn(n−x2+1)=(2mn+1)(n+1)−mn(mn+1)(2mn+1)3.(2)ann3/2=1n∑x=−mnmn{1−(xn)2}+2mn+1n3/2.最初の和は、刻み幅 1/n、区間が [−mn/n,mn/n] のリーマン和である。mn/n→1 だから1n∑x=−mnmn{1−(xn)2}⟶∫−11(1−u2) du=43.また0≦2mn+1n3/2≦2n+1n3/2⟶0.したがってlim⁡n→∞ann3/2=43.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中5。試験場での目安は20分で、格子点を縦に数えて極限へつなぐ問題である。採点点は、x の範囲を −mn≦x≦mn とすること、各 x に対して y の個数が n−x2+1 であること、極限で mn/n→1 を因子ごとに使うことにある。端点を含むため +1 が入る点を忘れないようにしたい。

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出典: 東北大学 2008年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。