方針
は、 の第1列・第2列がそれぞれ によって 倍・ 倍されることを意味する。これにより は2次方程式 の2解になり、条件 から 。その後は の形で求め、数列の収束は の挙動で場合分けする。
解答
(1) の列ベクトルに注目する。 よりである。
一般にである。これがに等しいためには でなければならない。この方程式は である。 かつ より、大きい方が 、小さい方が である。したがって となり、である。
(2) より、 だから であり、である。
(1) の関係からである。両辺の右から を掛けるとであるから、これを 回掛ければである。右辺を計算するとである。
(3)
定義よりである。したがって(2)からである。
まず のとき、 であるから、任意の実数 について は収束し である。
次に のとき、 は0に収束しない。したがって が収束するためには、 の係数が0であること、すなわち が必要である。これは十分でもあり、このとき がすべての で成り立つ。よって のときに限り収束し、その極限は である。
以上をまとめると、収束条件は または である。
別解
解法2(漸化式を直接解く)
方針
(1) は行列積の成分比較で を決める。
(2)は提示された式を数学的帰納法で確認する。
(3)は行列から2階漸化式を取り出し、定数列と の和として解く。
解答
(1)
の成分を比較すると、 はともにの解である。この式は より だから(2)
直接計算してまた では元の に一致する。この式へ左から を掛けて整理すると
を に替えた式になるので、帰納法により成立する。
(3)
行列の第2成分から特性方程式は なので から なら任意の で収束し なら 、すなわち の場合に限り収束し、
極限は である。
総評
難度7、計算量7。行列の列ベクトルに注目して を先に決めると、対角化の形が自然に出る。用語に頼らず、 を直接計算すればよい。(3)は の式に現れる が収束を左右する。 の中に が含まれるため、場合分けを忘れないこと。目安は25分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、構造を使って検算できる別経路に分けた。等号条件、範囲、必要性と十分性を明示し、積分・総和・極限および主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。