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東北大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

対数は自然対数であり,eはその底とする.
関数f(x)=(x+1)log⁡x+1xに対して,
次の問いに答えよ.

(1) f(x)はx>0で単調減少関数であることを示せ.

(2) lim⁡x→+0f(x)およびlim⁡x→+∞f(x)を求めよ.

(3) f(x)=2を満たすxが1e2<x<1の範囲に存在することを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15分

指数・対数、関数 微分による最大最小、極限計算、存在証明

方針

f(x)=(x+1)log⁡(1+1/x) と見て微分する。微分後は u=1/x>0 とおけば f′(x)=log⁡(1+u)−u になり、log⁡(1+u)<u から単調減少が従う。端の極限は x→+0 では対数部分が発散し、x→∞ では (x+1)log⁡(1+1/x) を (1+1/x)/(1/x) 型に見て1へ近づける。(3)は連続性と、f(e−2)>2, f(1)<2 を示して中間値を用いる。

解答

(1) f(x)=(x+1)log⁡x+1x=(x+1)log⁡(1+1x) である。微分するとf′(x)=log⁡(1+1x)+(x+1)⋅11+1/x(−1x2)=log⁡(1+1x)−1x.ここで u=1x>0 とおくと f′(x)=log⁡(1+u)−u である。u>0 に対して log⁡(1+u)<u が成り立つので f′(x)<0 である。したがって f(x) は x>0 で単調減少である。

(2) x→+0 のとき x+1x=1+1x→+∞ である。また x+1→1 なのでlim⁡x→+0f(x)=+∞である。

次に x→+∞ を考える。u=1/x とおくと u→+0 であり、f(x)=(x+1)log⁡(1+1x)=1+uulog⁡(1+u) である。したがってlim⁡x→+∞f(x)=lim⁡u→+0(1+u)log⁡(1+u)u=1である。

(3)

関数 f は x>0 で連続である。まず f(1)=2log⁡2 であり、e>2 から e2>4、すなわち 2log⁡2<2 なので f(1)<2 である。

次に x=e−2 とすると f(e−2)=(1+e−2)log⁡(1+e2) である。ここで 1+e2>e2 だから log⁡(1+e2)>2 である。よって f(e−2)>2(1+e−2)>2 である。

したがって f(e−2)>2>f(1) である。連続性より、方程式 f(x)=2 を満たす x が 1e2<x<1 の範囲に少なくとも1つ存在する。

【単調減少と値2の交点】

別解

解法2

方針

対数を積分表示log⁡(1+1/x)=∫01(x+t)−1dtに直す。この表示を使うと単調性は被積分関数の微分の符号から、無限遠の極限は一様な評価から得られる。最後は端点で2をはさみ中間値を用いる。

解答

(1) log⁡(1+1x)=∫01dtx+tだからf(x)=∫01x+1x+t dt.被積分関数を x で微分すると∂∂x(x+1x+t)=t−1(x+t)2≦0であり、0≦t<1 では厳密に負である。よって f は x>0 で単調減少する。

(2)
x→+0 ではf(x)=(x+1)log⁡(1+1x)→+∞.一方x+1x+t=1+1−tx+tは x→+∞ で [0,1] 上一様に1へ近づく。したがってlim⁡x→+∞f(x)=∫011 dt=1.(3)f(1)=2log⁡2<2である。またf(e−2)=(1+e−2)log⁡(1+e2)>2.f は連続だから、中間値の定理により1e2<x<1に f(x)=2 の解が存在する。さらに(1)より、この解は一意である。

総評

難度5、計算量4。目安時間は16〜20分。単調性は微分後に u=1/x と置き、log⁡(1+u)<u を使うと短く示せる。極限では x→+∞ を u=1/x→0 に直すと、基本極限 log⁡(1+u)/u→1 が使える。(3)は単調減少から一意性まで言えるが、問題は存在だけなので、中間値の定理に必要な f(e−2)>2 と f(1)<2 を明確に示せば十分である。

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出典: 東北大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。