Evolton

東北大学 2005年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

曲線C1:y=4x2+14上の
定点P(a, 4a2+14)から,
曲線C2:y=x2上の点(x, x2)までの距離をh(x)とする.

(1) ∣a∣≦12のとき,h(x)が最小値をとるx=x0と値h(x0)を求めよ.

(2) a=12とし,(1)で求めたx0について点(x0, x02)をQとおく.
曲線C1,C2,y軸,および線分PQで囲まれた図形の面積を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22分

微分、積分、図形と方程式 微分による最大最小、面積計算

方針

距離はそのままではなく2乗 H(x)=h(x)2 を最小化する。H′(x) を因数分解すると (x−2a)(4x2+8ax+1) が現れ、∣a∣≦1/2 では2次式部分が常に非負なので、最小点は x=2a と分かる。(2)では a=12 により P=(12,54)、Q=(1,1) となる。囲まれた図形は、0≦x≦1/2 では C1−C2、12≦x≦1 では線分 PQ と C2 の差を積分する。

解答

(1)

点 (x,x2) と P(a,4a2+14) との距離の2乗を H(x)=h(x)2=(x−a)2+(x2−4a2−14)2 とおく。距離 h(x) を最小にする x は、H(x) を最小にする x と同じである。

微分するとH′(x)=2(x−a)+2(x2−4a2−14)⋅2x=4x3+(1−16a2)x−2a=(x−2a)(4x2+8ax+1)である。

ここで ∣a∣≦1/2 のとき、2次式 4x2+8ax+1 の判別式は (8a)2−4⋅4⋅1=16(4a2−1)≦0 である。係数 4 は正なので 4x2+8ax+1≧0 がすべての実数 x で成り立つ。したがって H′(x) の符号は x−2a の符号で決まり、H(x) は x=2a で最小値をとる。

よって x0=2a である。このとき (x0,x02)=(2a,4a2) なので、P との差は (2a−a, 4a2−(4a2+14))=(a,−14) である。したがって h(x0)=a2+116=1416a2+1 である。ゆえに h(x0)=1416a2+1 である。

(2) a=12 のとき P=(12,54) であり、(1)より x0=1 だから Q=(1,1) である。線分 PQ の傾きは 1−541−12=−12 なので、その方程式は y=32−x2 である。

求める図形は、0≦x≦1/2 では上側が C1:y=4x2+14、下側が C2:y=x2 である。また 12≦x≦1 では、上側が線分 PQ、下側が C2 である。したがって面積 S はS=∫012(4x2+14−x2)dx+∫121(32−x2−x2)dxである。

第1項は∫012(3x2+14)dx=[x3+x4]012=18+18=14である。第2項は[32x−x24−x33]121=1348である。よって S=14+1348=2548 である。したがって 2548 である。

条件・検算

因数分解 H(x)−H(2a) は候補点が全体最小であることを直接示す。面積は x=12 で上側境界が C1 から線分 PQ へ切り替わる。

別解

解法2(平方差の因数分解による別解)

方針

距離の2乗 H(x) と候補 x=2a での値との差を因数分解し、微分せずに全体最小を示す。後半は標準解法と同じ境界分割で面積を確認する。

解答

(1)

距離の2乗をH(x)=(x−a)2+(x2−4a2−14)2とする。直接整理するとH(x)−H(2a)=(x−2a)2{(x+2a)2+12}.右辺は常に0以上で、等号は x=2a のときだけである。したがってx0=2a.このとき座標差は(a,−14)だからh(x0)=1416a2+1.(2)a=12 ではP=(12,54),Q=(1,1),線分 PQ はy=32−x2.よって面積は∫012(3x2+14)dx+∫121(32−x2−x2)dx=2548.

総評

難度6、計算量6。距離の2乗を微分する前半と、境界を分けて面積を積分する後半からなる問題である。目安は22分程度。(1)では ∣a∣≦1/2 により2次式 4x2+8ax+1 が非負になる点が核心で、これにより x=2a が最小点と分かる。(2)は線分 PQ が上側境界になる区間が [12,1] だけであることを図で確認してから積分するとよい。

問題・解答の積分・総和・極限は原則として独立行に置き、分数は表示サイズで可読性を確保した。図は原問題の復元図または答案の論理関係を確認するための独自作図であり、解法の境界条件と結論を本文だけでも追えるようにした。

冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2005年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。