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東北大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

袋の中に1から7までの番号が書かれた球が7個入っている.
ここから同時に3個の球を取り出す.
取り出された3個の球に書かれている数を大きいものから順にX,Y,Zとする.
X,Y,Zそれぞれの期待値を求めよ.
ただし,7個の球にはそれぞれ互いに異なる1個の番号が書かれていて,
どの球も取り出される確率は皆等しいものとする.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12分

確率 期待値、対称性の利用

方針

3個の番号を選ぶ全事象は同様に確からしい。最大値・最小値は,その値が k になるために残り2個をどの範囲から選ぶかで数えられる。中央値は直接数えてもよいが,3個の和の期待値が 3 個分の平均に等しいことを使うと短く決まる。別解として,選んだ3数の間隔を対称に見る方法でも期待値を確認できる。

解答

全事象の数は 7C3=35 である。

最大値 X が k であるためには,残り2個を 1,2,…,k−1 から選べばよい。したがって k=3,4,5,6,7 について P(X=k)=k−1C235 である。よってE(X)=135∑k=37k⋅k−1C2=3⋅1+4⋅3+5⋅6+6⋅10+7⋅1535=21035=6である。

最小値 Z が k であるためには,残り2個を k+1,k+2,…,7 から選べばよい。したがって k=1,2,3,4,5 について P(Z=k)=7−kC235 であり,E(Z)=135∑k=15k⋅7−kC2=1⋅15+2⋅10+3⋅6+4⋅3+5⋅135=7035=2である。

また,取り出された3個の番号の和の期待値は,1個あたりの平均が 1+2+⋯+77=4 であることから E(X+Y+Z)=3⋅4=12 である。期待値の線形性より E(Y)=12−E(X)−E(Z)=12−6−2=4 となる。以上より E(X)=6,E(Y)=4,E(Z)=2 である。

1,…,7 の反転対称性から、期待値は中心4のまわりに 2,4,6 と並ぶ。

別解

解法2(隙間の対称性)

方針

選んだ3数を小さい順に並べ、選ばれなかった4数が両端と選択数の間に何個ずつ入るかを考える。4つの隙間は対称なので期待値が等しい。

解答

選んだ3数を小さい順に U<V<W とする。選ばれなかった番号の個数をG0=U−1,G1=V−U−1,G2=W−V−1,G3=7−Wとおく。常にG0+G1+G2+G3=4である。

3個の選び方と、4つの非負整数 G0,G1,G2,G3 で和が4となる組は一対一に対応する。さらに4つの隙間を入れ替える写像で選び方全体が互いに対応するため、各 Gi の分布は同じである。期待値の線形性から4E(G0)=E(G0+G1+G2+G3)=4となり、E(G0)=E(G1)=E(G2)=E(G3)=1である。

したがってE(U)=1+E(G0)=2,E(V)=2+E(G0)+E(G1)=4,E(W)=3+E(G0)+E(G1)+E(G2)=6.X=W, Y=V, Z=U なのでE(X)=6,E(Y)=4,E(Z)=2を得る。

総評

難度4,計算量3。目安時間は12分。最大値・最小値を「その値で確定するための残りの選び方」で数えるのが標準的で,中央値は和の期待値で処理すると無駄がない。7C3 を分母にすること,最大値と最小値で選べる範囲を逆にしないことが採点上の要点である。 最大・中央・最小の期待値の和が12になることが、分布計算の独立な検算になる。

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出典: 東北大学 2006年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。