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東北大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

辺ABの長さが1,∠Aが直角となる三角形△ABCがある.
辺BC上を点Cから点Bまで動く点Dを考え,
内積AD→⋅AB→をtとおく.
以下の問いに答えよ.

(1)
tの動く範囲を求めよ.

(2)
AD→⋅AC→=CD→⋅CA→が成り立つとき,
tの値を求めよ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安10分

ベクトル 内積の利用、座標設定、範囲評価

方針

直角をなすAB→とAC→を基準にし,Dを辺BC上の比で表す。AB=1なので,AD→⋅AB→はAB方向の係数そのものになる。(2)では同じ表示を使い,AD→⋅AC→とCD→⋅CA→を計算して係数を比較する。

解答

Dを C から B へ動かすと,AB 方向の係数が 0 から 1 まで動く.

(1) AB→=u⃗,AC→=v⃗ とおく。∠Aは直角であり,AB=1だから ∣u⃗∣=1,u⃗⋅v⃗=0 である。

点Dは辺BC上をCからBまで動くので,ある実数sを用いて AD→=su⃗+(1−s)v⃗(0≦s≦1) と表せる。s=0のときD=C,s=1のときD=Bである。このときt=AD→⋅AB→={su⃗+(1−s)v⃗}⋅u⃗=s∣u⃗∣2+(1−s)v⃗⋅u⃗=sである。したがってtの動く範囲は 0≦t≦1 である。

(2)

(1) と同じく AD→=su⃗+(1−s)v⃗ とする。するとAD→⋅AC→={su⃗+(1−s)v⃗}⋅v⃗=(1−s)∣v⃗∣2である。またCD→=AD→−AC→=su⃗−sv⃗=s(u⃗−v⃗)であり,CA→=−v⃗ だからCD→⋅CA→=s(u⃗−v⃗)⋅(−v⃗)=s∣v⃗∣2である。

条件AD→⋅AC→=CD→⋅CA→は (1−s)∣v⃗∣2=s∣v⃗∣2 となる。三角形なので∣v⃗∣≠0であり,1−s=s より s=12 である。(1)でt=sだったので t=12 である。

別解

解法2(座標法)

方針

A=(0,0),B=(1,0),C=(0,c) と置く.辺 BC 上の点を1つの媒介変数で表せば,内積は座標の積として直接計算できる.

解答

AC=c  (c>0) とし,A=(0,0),B=(1,0),C=(0,c)と置く.D は辺 BC 上にあるから,ある s を用いてD=(s,c(1−s))(0≦s≦1)と書ける.

(1) AD→=(s,c(1−s)),AB→=(1,0)よりt=AD→⋅AB→=s.したがって0≦t≦1である.

(2) AC→=(0,c),CD→=(s,−cs),CA→=(0,−c)なのでAD→⋅AC→=c2(1−s),CD→⋅CA→=c2s.c>0 より条件は 1−s=s と同値であり,s=12.t=s だったからt=12である.

総評

難度4、計算量3。直角をなす2方向に分解すれば,内積は係数を取り出すだけになる。DがCからBまで動くため0≦s≦1となること,AB=1によりt=sとなることを明記したい。(2)はCDとCAの向きを取り違えやすい。目安時間は10分から12分程度で,確実に取り切るべき問題である。

検算では D=C,B に対応して t=0,1 になることを確かめる.ベクトル解法と座標解法はいずれも,CD と CA の向きを正しく取ることが要点である.

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出典: 東北大学 2009年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。