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東北大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

f(x)=x+2として,数列x0,x1,x2,x0=0,xn=f(xn1)(n=1,2,3,)で定義する.以下の問いに答えよ.

(1)
すべての自然数nに対して2(12)n1<xn<xn+1<2が成り立つことを示せ.

(2)
すべての自然数nに対してxn<2(14)nが成り立つことを示せ.

(3)
すべての自然数nに対してxn<2αnを満たす正の定数αのうち,
最大のものを求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

数列関数 漸化式の変形数学的帰納法極限計算

方針

初期値を x0=0,漸化式を xn=f(xn1) として扱う。固定点は x=2 なので,誤差 dn=2xn を導入する。漸化式から dn+1=dn/(2+xn+1) が得られ,0<xn<2 より分母が 24 の間にあることを使って上下から評価する。最大の α は,誤差比が 1/4 に近づくことから決める。

解答

初期値を x0=0 とし,xn=xn1+2(n=1,2,3,) として考える。

(1)
まず xn<2 と単調増加を示す。x0=0<2 であり,xn<2 なら xn+1=xn+2<4=2 である。よって帰納法により xn<2 がすべての n で成り立つ。

また 0xn<2 のとき,xn+1>xnxn+2>xn と同値である。両辺は非負なので二乗してよく,xn+2>xn2 すなわち (2xn)(xn+1)>0 である。これは 0xn<2 から成り立つ。したがって xn<xn+1<2 である。

次に下からの評価を示す。dn=2xn とおくとdn+1=2xn+1=4xn+122+xn+1=2xn2+xn+1=dn2+xn+1.ここで xn+1>0 だから 2+xn+1>2 であり,dn+1<dn2 である。また d1=22<1 なので,帰納法により dn<(12)n1 である。すなわち 2xn<(12)n1 であり,2(12)n1<xn である。

以上より 2(12)n1<xn<xn+1<2 が成り立つ。

(2)
(1) と同じく dn=2xn とおく。上で得た式 dn+1=dn2+xn+1 を用いる。xn+1<2 だから 2+xn+1<4 であり,dn+1>dn4 である。また d1=22>14 である。したがって帰納法により dn>(14)n である。すなわち xn<2(14)n である。

(3)
(2) より α=14 は条件を満たす。

これより大きい α が条件を満たさないことを示す。xn は増加して2より小さいので,極限を L とすると L=L+2 である。0L2 より L=2 である。したがって dn+1dn=12+xn+114 である。

いま α>1/4 とする。1/4<ρ<α となる ρ を1つ取る。十分大きい n では dn+1dn<ρ が成り立つ。するとある番号 N 以後で dn<dNρnN となる。ところが ρ/α<1 なので,十分大きい n では dNρnN<αn となる。したがって dn<αn となる n が存在し,すべての n について xn<2αn、すなわち dn>αn を満たすことはできない。

よって最大の定数は α=14 である。

固定点2へ近づく反復

階段状の線は xn+1=xn+2 の反復を表し、固定点2へ近づく。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安時間は30分程度で、固定点 2 との差 dn=2xn を見ることが決定的である。単調増加と上界を先に示しておくと、分母 2+xn+124 で挟む評価が使える。(3) は単に (2) の結果を読むだけではなく、誤差比が 1/4 に近づくため,それより大きい α はいずれ破綻することを示す必要がある。添字は x0=0 から始まる形で整理すると不等式が自然にそろう。

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出典: 東北大学 2010年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。