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東北大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

θ0<θ<2π3の範囲にある実数とし,
空間の4点OABCが,
OA=OB=OC=1かつAOB=BOC=COA=θをみたすとする.
このとき,以下の問いに答えよ.

(1) ABCの重心をGとするとき,AGOGをそれぞれθで表せ.

(2) θを動かしたときの,OABCを頂点とする四面体の体積の最大値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

ベクトル微分 内積の利用体積計算微分による最大最小

方針

u=cosθ とおき,3本の単位ベクトル OA,OB,OC の内積がすべて u であることを使う。重心 G は3本のベクトルの平均で表せるので,OG は内積計算で求める。ABC は正三角形で,四面体の高さは対称性により OG になるから,体積を u の1変数関数にし,1/2<u<1 で最大化する。

解答

(1) u=cosθ とおく。OA=OB=OC=1 であり,3つの中心角がすべて θ なのでOAOB=OBOC=OCOA=uである。

まず,ABC の一辺を求めると AB2=OBOA2=1+12u=2(1u) である。したがって ABC は一辺 2(1u) の正三角形である。正三角形の重心は中線を 2:1 に分けるので AG=13AB=2(1u)3 である。

次にOG=OA+OB+OC3である。よってOG2=19OA+OB+OC2であり,右辺を内積で展開すると OG2=19{3+2(u+u+u)}=1+2u3 となる。したがってAG=2(1cosθ)3,OG=1+2cosθ3である。

(2) 0<θ<2π/3 なので 12<u<1 である。 ABC の面積は,一辺が 2(1u) の正三角形であるから 34{2(1u)}2=32(1u) である。また O は3点 A,B,C から等距離にあり,G も正三角形 ABC の中心であるから,直線 OG は平面 ABC に垂直である。したがって四面体の高さは OG である。

よって体積 VV=1332(1u)1+2u3=(1u)1+2u6である。V>0 なので,V を最大にするには 36V2=(1u)2(1+2u) を最大にすればよい。 F(u)=(1u)2(1+2u) とおく。展開すると F(u)=13u2+2u3 であり,F(u)=6u+6u2=6u(1u) である。区間 1/2<u<1 では,F(u)>01/2<u<0F(u)<00<u<1 で成り立つ。したがって F(u)u=0 で最大になる。

このとき V=(10)16=16 である。よって最大値は 16 である。

ABC は正三角形で、G はその重心・外心である。したがって OG が四面体の高さになる。

別解

解法2(グラム行列)

方針

3本の単位ベクトルの内積を並べたグラム行列を作る。(1)はベクトルの平均との差から長さを求め、(2)はグラム行列の行列式が平行六面体の体積の2乗になることを用いる。底面と高さを別々に計算せず、体積を直接1変数化できる。

解答

(1) a=OAb=OBc=OCu=cosθ とおく。3本は単位ベクトルで、異なる2本の内積はすべて u である。OG=a+b+c3だからOG2=19{3+6u}=1+2u3.またAG=2a+b+c3よりAG2=19{4+1+14u4u+2u}=2(1u)3.したがってAG=2(1cosθ)3,OG=1+2cosθ3.(2)
a,b,c のグラム行列は(1uuu1uuu1)で、その行列式は(1u)2(1+2u)である。四面体の体積を V とすると、3本のベクトルが張る平行六面体の体積が 6V だから36V2=(1u)2(1+2u).12<u<1 で右辺を F(u) とおけばF(u)=6u(1u).よって F1/2<u<0 で増加し、0<u<1 で減少する。最大は u=0 のときで、36V2=1 となる。したがってVmax=16.

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。試験場での目安は24分で、空間図形を内積で1変数化する問題である。採点点は、ABC が正三角形であること、OG2 を3本のベクトルの和から計算すること、体積の高さが OG になる理由を対称性で説明することにある。最大化では V そのものではなく 36V2 を扱うと根号が消え、符号変化まで見通しやすい。

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出典: 東北大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。