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東北大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

k>1として,f(x)=x2+2kxとおく.
曲線y=f(x)と円C:x2+y2=1の2つの交点の内で,
第1象限にあるものをPとし,第3象限にあるものをQとする.
点O(0,0),A(1,0),B(−1,0)に対して,
α=∠AOP,β=∠BOQとおくとき,
以下の問いに答えよ.

(1) kをαで表せ.

(2) 曲線y=f(x)と円Cで囲まれる2つの図形の内で,
y=f(x)の上側にあるものの面積S(k)をαとβで表せ.

(3) lim⁡k→∞S(k)を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30分

積分、図形と方程式 面積計算、パラメータ処理、極限計算

方針

交点を単位円上の角度で表し,P=(cos⁡α,sin⁡α),Q=(−cos⁡β,−sin⁡β) を曲線の式へ代入して k と角度の関係を得る。面積は上側の円弧の下の面積から放物線の下の面積を引いて求める。極限では交点条件から cos⁡α,cos⁡β を評価し,面積式の各項が0へ近づくことを確認する。

解答

(1) P は第1象限の単位円上にあるので P=(cos⁡α,sin⁡α) である。これを y=x2+2kx に代入すると sin⁡α=cos⁡2α+2kcos⁡α である。cos⁡α>0 だから k=sin⁡α−cos⁡2α2cos⁡α である。

(2) Q は第3象限にあり,β=∠BOQ であるから Q=(−cos⁡β,−sin⁡β) である。求める図形は放物線の上側にあり,単位円の上側の弧を上端にもつので,面積は S(k)=∫−cos⁡βcos⁡α{1−x2−(x2+2kx)} dx である。

まず円の部分を求める。単位円で,x=−cos⁡β から x=cos⁡α までの上半分の面積は,扇形と直角三角形の面積を用いて 12{π−α−β+sin⁡αcos⁡α+sin⁡βcos⁡β} である。一方,放物線の部分は∫−cos⁡βcos⁡α(x2+2kx) dx=cos⁡3α+cos⁡3β3+k(cos⁡2α−cos⁡2β)である。したがってS(k)=12{π−α−β+sin⁡αcos⁡α+sin⁡βcos⁡β}−cos⁡3α+cos⁡3β3−k(cos⁡2α−cos⁡2β)である。

(3)
(1)より 2kcos⁡α=sin⁡α−cos⁡2α である。右辺は1以下なので 0<cos⁡α≦12k であり,k→∞ のとき cos⁡α→0,すなわち α→π/2 である。

また,Q=(−cos⁡β,−sin⁡β) を曲線に代入すると −sin⁡β=cos⁡2β−2kcos⁡β であるから 2kcos⁡β=sin⁡β+cos⁡2β である。右辺は2以下なので 0<cos⁡β≦1k であり,k→∞ のとき cos⁡β→0,すなわち β→π/2 である。

さらに0≦k∣cos⁡2α−cos⁡2β∣≦k(cos⁡2α+cos⁡2β)≦14k+1kであるから k(cos⁡2α−cos⁡2β)→0 である。

以上を(2)の式に代入すると,π−α−β→0,sin⁡αcos⁡α→0,sin⁡βcos⁡β→0,また3乗の項も0へ近づく。したがって lim⁡k→∞S(k)=0 である。

図は一例(k=3/2)。求める領域は Q から P まで、円の上側の弧と放物線にはさまれる。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中7。試験場での目安は30分で、角度表示、面積分解、極限評価をつなぐ重めの問題である。採点点は,P,Q の座標を角度で正しく置くこと、円弧の面積と放物線の積分を分けて S(k) を出すこと、最後に k(cos⁡2α−cos⁡2β)→0 まで確認することにある。面積式を作る段階で下側の円弧を使ってしまう誤りが起きやすいので、「放物線の上側」の領域を縦切りで確認してから積分区間を決めるとよい。

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出典: 東北大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。