方針
2xは正の値全体を動くので,t=2xと置いてt>0における2次式の正値条件に直す。4t2+at+1−aは上に開く2次式であり,a≧0ならt>0で単調増加,a<0なら頂点が正の範囲に入る。したがって,最小値がどこで現れるかをaの符号で分け,端に近づく場合はt=0が含まれないことにも注意して不等式を決める。
解答
すべての実数xに対して 22x+2+a2x+1−a>0 が成り立つ条件を求める。t=2xとおくと,xが実数全体を動くときtはt>0の範囲を動く。また 22x+2=4(2x)2=4t2 であるから,求める条件は f(t)=4t2+at+1−a>0 がすべてのt>0で成り立つことである。
まずa≧0のときを考える。このときt>0では f′(t)=8t+a>0 であるから,f(t)はt>0で増加する。したがってt→+0のときの極限 limt→+0f(t)=1−a を見ればよい。1−a<0なら十分小さい正のtでf(t)<0となるので不適である。一方,1−a≧0なら,t>0に対して f(t)>1−a≧0 またはa=1のときもf(t)=4t2+t>0となり条件を満たす。よって 0≦a≦1 である。
次にa<0のときを考える。このとき頂点 t=−8a は正の範囲にある。したがって必要十分条件は頂点での値が正であることである。最小値は f(−8a)=1−a−16a2 だから 1−a−16a2>0 が必要十分である。両辺を16倍して整理すると a2+16a−16<0 である。この2次式の根は a=−8±45 なので −8−45<a<−8+45 である。いまa<0を考えているから −8−45<a<0 となる。
以上を合わせて,求めるaの範囲は −8−45<a≦1 である。下端では頂点でf(t)=0となるため不可,上端a=1はt>0でf(t)=4t2+t>0となるため可である。
別解
解法2(aについて解く)
方針
t=2x>0 とした後,二次式を a の一次不等式と見て,0<t<1 と t>1 から得られる上限・下限をそれぞれ最適化する.端点が実際に許されるかも元の厳密不等式で確認する.
解答
t=2x とおくと,条件は4t2+1+a(t−1)>0(t>0)である.
0<t<1 ではa<1−t4t2+1である.右辺を U(t) とするとU′(t)=(1−t)2−4t2+8t+1>0(0<t<1)なので,その下限は t→+0 における 1 である.したがって必要条件は a≦1 であり,a=1 でも4t2+t>0だから上端は許される.
t>1 ではa>−t−14t2+1である.V(t)=t−14t2+1とおけばV′(t)=(t−1)24t2−8t−1であり,V はt=1+25で最小になる.このときt>1minV(t)=8+45だからa>−8−45が必要十分である.
両側を合わせると−8−45<a≦1となる.下端ではある正の t で等号が生じるため含まれない.
総評
難度5、計算量5。指数不等式をt=2x>0の2次式に直すところが入口である。t=0は実際には取らないが,t→+0の極限が負なら不適になる点が端点処理の要点である。a<0では頂点が正の範囲に入るため,最小値を直接調べる。目安時間は15分前後で,a=1を含め,下端を含めないことまで書けば安定する。
採点点は,t=2x が t>0 全体を動くこと,a の符号による最小位置の違い,開端 t=0 の扱い,2つの端点の可否である.別解では t<1 と t>1 で不等号の向きが変わる点に注意する.
冊子PDFで見る東北大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2009年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。