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東北大学 2009年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第6問

aをa>1を満たす実数とし,
y=sin⁡xのグラフとy=sin⁡axのグラフのx>0における交点のうち,
x座標が最も小さい点をPとする.
点Pのx座標をf(a)とおくとき,以下の問いに答えよ.

(1)
f(a)をaで表せ.

(2)
0≦x≦f(a)において
y=sin⁡xのグラフとy=sin⁡axのグラフで囲まれた図形の面積S(a)をaで表せ.

(3)
(2)のS(a)について,lim⁡a→∞aS(a)を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22分

三角関数、積分 場合分け、面積計算、極限計算

方針

最初の交点は sin⁡ax=sin⁡x の2系列の正の解を比較して決める.最初の交点までの上下関係を確認した後,面積を表示積分で求める.極限は 1−cos⁡u≦u2/2 を用いてはさみうちする.

解答

模式図(a=52).最初の交点までは sin⁡ax>sin⁡x である.

(1)

交点では sin⁡ax=sin⁡x である。したがって ax=x+2kπ または ax=π−x+2kπ である。正の解はそれぞれ x=2kπa−1(k=1,2,…) および x=(2k+1)πa+1(k=0,1,2,…) である。最小候補は 2πa−1とπa+1 である。a>1より πa+1<2πa−1 なので,最初の交点のx座標は f(a)=πa+1 である。

(2)

g(x)=sin⁡ax−sin⁡xとおくと,g(0)=0であり,g′(0)=a−1>0である。したがって0のすぐ右ではsin⁡ax>sin⁡xである。最初の交点までは上下関係は変わらないため,囲まれた部分の面積はS(a)=∫0π/(a+1)(sin⁡ax−sin⁡x) dxである。h=π/(a+1)とおくと ah=aπa+1=π−h である。したがってS(a)=[−cos⁡axa+cos⁡x]0h=−cos⁡aha+cos⁡h+1a−1=cos⁡ha+cos⁡h+1a−1=(a+1)cos⁡h−(a−1)aである。よって S(a)=(a+1)cos⁡πa+1−(a−1)a である。

(3)

(2) より aS(a)=(a+1)cos⁡πa+1−(a−1) である。これを aS(a)=2−(a+1)(1−cos⁡πa+1) と書く。

u=π/(a+1)とおくと,a→∞のときu→0である。また 1−cos⁡u=2sin⁡2u2≦2(u2)2=u22 だから 0≦(a+1)(1−cos⁡u)≦(a+1)u22=π22(a+1)→0 である。したがって lim⁡a→∞aS(a)=2 である。

別解

解法2((1):積和公式で最初の交点を決める)

方針

sin⁡ax−sin⁡x を積に直すと,2種類の零点が同時に見える.各因子の最小の正の零点を比べるだけで f(a) が決まる.

解答

積和公式によりsin⁡ax−sin⁡x=2cos⁡(a+1)x2 sin⁡(a−1)x2.したがって正の交点候補はcos⁡(a+1)x2=0またはsin⁡(a−1)x2=0から生じる.それぞれの最小の正の解はx=πa+1,x=2πa−1.a>1 ではπa+1<2πa−1だから,最初の交点の x 座標はf(a)=πa+1である.また 0<x<f(a) では2つの因子がともに正なので,sin⁡ax>sin⁡x も同時に確認できる.

総評

難度6、計算量6。sin⁡ax=sin⁡xの2系列のうち,最小の正の解がどちらから来るかを比較するのが入口である。面積では最初の交点まで上下関係が変わらないことを確認し,ah=π−hを使って積分値を整理する。極限は近似名を使わず,1−cos⁡u≦u2/2で押さえると高校範囲で完結する。目安時間は22分前後。

面積積分では最初の交点までの上下関係を積和公式でも確認できる.極限はテイラー展開に頼らず 0≦1−cos⁡u≦u2/2 ではさみうちする.

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出典: 東北大学 2009年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。