方針
並べ替え に,大きい順になっていない隣接または2項の逆転があれば,その2つを入れ替えることで2乗和が小さくなることを示す。これを繰り返すと の順に到達し,そのときが最小である。等号条件は, も もすべて厳密に減少しているため,1回でも逆転交換が必要なら和が厳密に減ることから判定する。
解答
が の並べ替えであるとする。もし で となる組があれば, と は大きい順に並んでいない。
この2つだけを入れ替えたときの2乗和の変化を調べる。入れ替える前の該当部分は であり,入れ替えた後は である。差を取ると ここで より であり,また仮定より である。したがって である。つまり,このような逆転を入れ替えると,2乗和は厳密に小さくなる。
この操作を繰り返すと, は大きい順に並ぶ。 であり, は の並べ替えなので,最終的には となる。この過程で和は増えず,逆転があれば厳密に小さくなる。したがって が成り立つ。
等号について考える。もし が と同じ順でなければ,ある について となる逆転が存在し,上の交換で2乗和が厳密に小さくなる。したがって等号は成り立たない。
よって等号が成り立つのは,はじめから であるとき,かつそのときに限られる。
別解
解法2(内積和へ帰着)
方針
両辺の平方和を展開する。 は の並べ替えなので定数部分は一致し、問題は が 以上であることへ帰着する。最大の を先頭へ移す交換を繰り返し、帰納的に順序を確定する。
解答
まずを展開する。 は の並べ替えだからであり、そこで右辺の括弧が非負であることを示す。並び の中で最大の数 が第 項にあるとする。 なら である。 と を交換したとき、和 の増加量はである。よって最大値を与える並びでは必ず でなければならない。
残る 項にも同じ議論を順に適用すると、 が最大となるのはのときだけである。したがってこれを最初に展開した差の式へ戻せば、求める不等式を得る。
また 、 はいずれも狭義減少列なので、順序が1か所でも異なれば上の交換で和は厳密に増える。よって等号成立はのとき、かつそのときに限る。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安時間は25分程度で、いわゆる並べ替えの不等式を2乗和の形で証明する問題である。全体を一度に比較するのではなく、逆順の2項を入れ替えたときの差を計算するのが最も安全である。 と がともに厳密な減少列なので、逆転があると差は必ず正になり、等号条件も一意に決まる。