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東北大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第6問

xy平面において,連立不等式(x1)2+y210x1y0の表す領域をAとする.
これを座標空間内でz軸の方向に1だけ平行移動するときに
Aが通過してできる立体をBとする.
Bx軸のまわりに,y軸からz軸の方向に90回転させたときに
通過してできる立体をCとする.
Cの体積を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

積分図形と方程式 体積計算座標設定定積分評価

方針

固定した x で切った断面を考える。領域 A0x10y2xx2 を満たすので,Byz 断面は高さ1,幅 r=2xx2 の長方形になる。この長方形を原点まわりに90度回転したときの掃過面積を,極角ごとの最大半径で求め,最後に x で積分する。

解答

領域 A(x1)2+y21,0x1,y0 で表される。固定した x に対して,y の範囲は 0y1(x1)2=2xx2 である。

これを z 軸方向に1だけ平行移動して通過する立体 B を考えると,固定した x における yz 平面での断面は 0yr,0z1 という長方形である。ただし r=2xx2 である。0x1 では 0r1 である。

この長方形を,y 軸から z 軸の方向へ90度回転させたときに通過する部分の面積を求める。yz 平面で原点を中心とする極角を考える。もとの長方形内で,角 ϕ 方向に進める最大半径はR(ϕ)=min(rcosϕ,1sinϕ)(0ϕπ2)である。2つが等しくなる角を ϕ0 とすると tanϕ0=1r であり,そのときの最大半径は 1+r2 である。

90度回転で通過する領域を極角ごとに見ると,最大半径は 0θϕ0 では r/cosθϕ0θϕ0+π2 では 1+r2ϕ0+π2θπ では 1/(cosθ) である。したがって掃過面積 S(r) は,扇形の面積公式を用いてS(r)=120ϕ0r2cos2θdθ+12ϕ0ϕ0+π/2(1+r2)dθ+12ϕ0+π/2π1cos2θdθ.ここで tanϕ0=1r,tan(ϕ0+π2)=r であるからS(r)=12r2tanϕ0+π4(1+r2)+12{tanπtan(ϕ0+π2)}.よって S(r)=12r+π4(1+r2)+12r=r+π4(1+r2). したがって求める体積は01{r+π4(1+r2)}dx=01{2xx2+π4(1+2xx2)}dxである。

まず2xx2=1(x1)2であるから012xx2dxは半径1の円の第2象限の4分の1の面積に等しい。したがって012xx2dx=π4である。また01(1+2xx2)dx=[x+x2x33]01=1+113=53である。

よって体積はπ4+π453=π483=2π3である。

固定した x における断面

長方形を90度掃過した断面積を求め、それを x 方向へ積分する。

別解

解法2(断面の幾何分解)

方針

固定した xB を切ると、辺長 r=2xx2 と1の長方形になる。この長方形を90度掃過した領域を、長方形と半径 r,1 の2つの四分円へ分解して断面積を出し、最後に x で積分する。

解答

固定した x に対してr=2xx2(0x1)とおく。このとき Byz 平面による断面は0yr,0z1で表される長方形である。

この長方形を原点のまわりに90度掃過してできる領域は、境界をたどると、辺長 r,1 の長方形と、半径 r および1の四分円に、重なりなく分解できる。したがって断面積はS(r)=r+πr24+π4=r+π4(1+r2)である。

よって求める体積 VV=01S ⁣(2xx2)dx=012xx2dx+π401(1+2xx2)dx.第1の積分はy=1(x1)2で表される半径1の四分円の面積だから012xx2dx=π4.また01(1+2xx2)dx=53.したがってV=π4+π453=2π3である。

総評

難度は10段階中8、計算量は10段階中7。目安時間は35分程度で、3次元の動きを固定した x の断面に落とせるかが勝負である。B の断面が長方形になることを確認したうえで、その長方形を90度回転した掃過面積を別問題として処理すると見通しがよい。

\brackethead{検算の要点}
掃過面積S(r)=r+π4(1+r2)は、r=0 で長さ1の線分が掃く四分円の面積 π/4 に、r=1 で単位正方形が掃く面積 1+π/2 に一致する。さらに 0r1 では S(r) は増加するので、最終値 2π/3 がこの2値の間に入ることも確認できる。

\brackethead{誤答を防ぐチェック}
平行移動後の z の範囲を 0z1 と書き、回転軸が各断面の原点に当たることを明示する。回転後を円板や半円と決めつけず、「長方形が90度の間に通過する領域」を求める点が重要である。また、r2=2xx2 を代入した後、平方根を含む積分と多項式積分を分けると計算ミスを防ぎやすい。

\brackethead{解法の使い分け}
本番では幾何分解が見えれば解法2が短い。分解に確信が持てない場合は、解法1の極角表示で境界を3区間に分ければ重複なく面積を導ける。どちらの方法でも、まず断面積を S(r) として独立に確定し、その後で r=2xx2 を戻す順序を守ると答案が読みやすい。

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出典: 東北大学 2010年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。