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東北大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

0≦x≦πに対して,関数f(x)をf(x)=∫0π2cos⁡∣t−x∣1+sin⁡∣t−x∣dtと定める。f(x)の0≦x≦πにおける最大値と最小値を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安31分

積分、三角関数 絶対値の処理、定積分評価、場合分け

方針

絶対値の中身 ∣t−x∣ の符号が変わるかどうかで、0≦x≦π/2 と π/2≦x≦π に分ける。原始関数は log⁡(1+sin⁡u) である。前半では積分区間を t=x で分割して log⁡{(1+sin⁡x)(1+cos⁡x)} を得る。後半では全区間で t≦x なので一度に積分し、最後は得られた関数の増減と端点値を比較する。

解答

u≧0 に対して∫cos⁡u1+sin⁡u du=log⁡(1+sin⁡u)であることを用いる。

まず 0≦x≦π/2 とする。このとき積分区間を t=x で分けるとf(x)=∫0xcos⁡(x−t)1+sin⁡(x−t)dt+∫xπ/2cos⁡(t−x)1+sin⁡(t−x)dtである。変数をそれぞれ u=x−t、u=t−x とすればf(x)=∫0xcos⁡u1+sin⁡udu+∫0π/2−xcos⁡u1+sin⁡uduである。したがって f(x)=log⁡(1+sin⁡x)+log⁡(1+cos⁡x) すなわち f(x)=log⁡{(1+sin⁡x)(1+cos⁡x)} である。この範囲で (1+sin⁡x)(1+cos⁡x)=1+sin⁡x+cos⁡x+sin⁡xcos⁡x は x=π/4 で最大となる。実際、sin⁡x+cos⁡x と sin⁡xcos⁡x はともに x=π/4 で最大である。よってこの範囲の最大値はlog⁡{(1+22)2}=log⁡(32+2)である。端点 x=0,π/2 では値は log⁡2 である。

次に π/2≦x≦π とする。このとき 0≦t≦π/2≦x なので ∣t−x∣=x−t である。したがってf(x)=∫0π/2cos⁡(x−t)1+sin⁡(x−t)dt=∫x−π/2xcos⁡u1+sin⁡uduである。よって f(x)=log⁡(1+sin⁡x)−log⁡(1+sin⁡(x−π/2)) であり、sin⁡(x−π/2)=−cos⁡x だから f(x)=log⁡1+sin⁡x1−cos⁡x である。

この範囲では 1+sin⁡x1−cos⁡x は x=π/2 で2、x=π で 1/2 となり、単調に減少する。したがってこの範囲の最大値は log⁡2、最小値は −log⁡2 である。

以上を合わせると、全体の最大値は log⁡(32+2) であり、最小値は −log⁡2 である。

総評

難度7、目安時間31分。絶対値付きの積分を、x が積分区間の中にあるか外にあるかで分ける問題である。原始関数 log⁡(1+sin⁡u) に気づけば計算は短くなるが、0≦x≦π/2 では積分区間を2つに分ける必要がある。最大最小では前半の内部最大 x=π/4 と、後半の端点 x=π を比較することが重要である。

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出典: 東北大学 2012年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。