方針
絶対値の中身 ∣t−x∣ の符号が変わるかどうかで、0≦x≦π/2 と π/2≦x≦π に分ける。原始関数は log(1+sinu) である。前半では積分区間を t=x で分割して log{(1+sinx)(1+cosx)} を得る。後半では全区間で t≦x なので一度に積分し、最後は得られた関数の増減と端点値を比較する。
解答
u≧0 に対して∫1+sinucosudu=log(1+sinu)であることを用いる。
まず 0≦x≦π/2 とする。このとき積分区間を t=x で分けるとf(x)=∫0x1+sin(x−t)cos(x−t)dt+∫xπ/21+sin(t−x)cos(t−x)dtである。変数をそれぞれ u=x−t、u=t−x とすればf(x)=∫0x1+sinucosudu+∫0π/2−x1+sinucosuduである。したがって f(x)=log(1+sinx)+log(1+cosx) すなわち f(x)=log{(1+sinx)(1+cosx)} である。この範囲で (1+sinx)(1+cosx)=1+sinx+cosx+sinxcosx は x=π/4 で最大となる。実際、sinx+cosx と sinxcosx はともに x=π/4 で最大である。よってこの範囲の最大値はlog⎩⎨⎧(1+22)2⎭⎬⎫=log(23+2)である。端点 x=0,π/2 では値は log2 である。
次に π/2≦x≦π とする。このとき 0≦t≦π/2≦x なので ∣t−x∣=x−t である。したがってf(x)=∫0π/21+sin(x−t)cos(x−t)dt=∫x−π/2x1+sinucosuduである。よって f(x)=log(1+sinx)−log(1+sin(x−π/2)) であり、sin(x−π/2)=−cosx だから f(x)=log1−cosx1+sinx である。
この範囲では 1−cosx1+sinx は x=π/2 で2、x=π で 1/2 となり、単調に減少する。したがってこの範囲の最大値は log2、最小値は −log2 である。
以上を合わせると、全体の最大値は log(23+2) であり、最小値は −log2 である。
総評
難度7、目安時間31分。絶対値付きの積分を、x が積分区間の中にあるか外にあるかで分ける問題である。原始関数 log(1+sinu) に気づけば計算は短くなるが、0≦x≦π/2 では積分区間を2つに分ける必要がある。最大最小では前半の内部最大 x=π/4 と、後半の端点 x=π を比較することが重要である。
冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る
出典: 東北大学 2012年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。