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東北大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

A,袋Bのそれぞれに,1からNの自然数がひとつずつ書かれたN枚のカードが入っている。
これらのカードをよくかきまぜて取り出していく。
以下の問いに答えよ。

(1) N=4とする。
ABのそれぞれから同時に1枚ずつカードを取り出し,
数字が同じかどうかを確認する操作を繰り返す。
ただし,取り出したカードは元には戻さないものとする。
4回のカードの取り出し操作が終わった後,
数字が一致していた回数をXとする。
X=1X=2X=3X=4となる確率をそれぞれ求めよ。
また,Xの期待値を求めよ。

(2) N=3とし,nは自然数とする。
ABのそれぞれから同時に1枚ずつカードを取り出し,
カードの数字が一致していたら,それらのカードを取り除き,
一致していなかったら、元の袋に戻す
という操作を繰り返す。
カードが初めて取り除かれるのがn回目で起こる確率をpnとし,
n回目の操作ですべてのカードが取り除かれる確率をqnとする。
pnqnを求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安31

確率場合の数 数え上げ、期待値、確率漸化式

方針

(1) は袋Aの取り出し順を固定し、袋Bの取り出し順を4文字の順列として見る。数字が一致した回数は順列の固定点数なので、固定点がちょうど1個、2個、3個、4個の場合を、残りの完全不一致の並べ方まで含めて数える。期待値は各回の一致を表す指示変数の和として求める。(2)は、残り3枚のときの一致確率が 1/3、残り2枚のときの一致確率が 1/2、残り1枚では必ず一致することを使い、待ち時間の和として pn,qn を表す。

解答

(1)
袋Aの取り出し順を固定してよい。このとき袋Bの取り出し順は 1,2,3,4 の順列であり、同じ回に同じ数字が出る回数 X は、その順列の固定点の個数である。全体は 4!=24 通りである。

固定点がちょうど1個の順列を数える。固定する位置は 4C1 通りで、残り3個は固定点をもたないように並べる。3個の完全不一致の並べ方は (231),(312) の2通りであるから、4C12=8 通りである。

固定点がちょうど2個の順列では、固定する2位置を選ぶと、残り2個は互いに入れ替わるしかない。したがって 4C2=6 通りである。固定点がちょうど3個なら残り1個も固定されてしまうので、これは0通りである。固定点が4個は恒等順列の1通りである。

よってP(X=1)=824=13,P(X=2)=624=14, P(X=3)=0,P(X=4)=124 である。

期待値は指示変数で求めると速い。i 回目に数字が一致すれば1、一致しなければ0となる変数を Yi とすると X=Y1+Y2+Y3+Y4 である。各回で袋Bの該当カードがその位置に来る確率は 1/4 だから E(Yi)=14 である。したがって E(X)=414=1 である。

(2)
最初は3枚ずつ残っている。1回の操作で一致する確率は 1/3、一致しない確率は 2/3 である。カードが初めて取り除かれるのが n 回目であるには、最初の n1 回が不一致で、n 回目が一致すればよい。よって pn=(23)n113 である。

次に qn を求める。すべてのカードが取り除かれるには、まず残り3枚の状態で初めて一致するまで待ち、次に残り2枚の状態で初めて一致するまで待ち、最後に残り1枚の状態で1回操作する。最後の1枚は必ず一致する。

残り3枚で初めて一致するまでの回数を i とすると、その確率は (23)i113 である。残り2枚で初めて一致するまでの回数を j とすると、その確率は (12)j112 である。全体で n 回目にすべて取り除かれるには i+j+1=n である。したがって n3 のときqn=i=1n2(23)i113(12)n2i12である。j=i1 と置き直すとqn=16j=0n3(23)j(12)n3jであり、等比数列の和から qn=(23)n2(12)n2 となる。よってqn=0 (n=1,2),qn=(23)n2(12)n2 (n3)

総評

難度7、目安時間31分。(1)は順列の固定点を数える問題で、固定点が3個だけという場合が存在しない理由を明記するとよい。期待値は分布から計算してもよいが、各回の一致確率を足す方が短く確実である。(2)は「残り枚数が変わるたびに一致確率が変わる」点が核心で、残り3枚・2枚・1枚の待ち時間を分けて書くと、qn の和の範囲と n=1,2 の例外を落としにくい。

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出典: 東北大学 2012年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。