方針
三角形と円の共通部分を、直線 x+y=r が単位円を切り取る面積 A(r) として扱う。座標 u=(x+y−2)/2 を使えば、面積の増加率は切り口の弦長から求まる。円と交わらない両側の範囲も含めて導関数の符号を調べ、r=3 での面積は逆三角関数を使わず、円から円弧部分を引いて計算する。
解答
円 D の内部では x>0,y>0 である。したがって T∩D は、円 D のうちx+y≦rを満たす部分である。u=2x+y−2,v=2x−yと座標を取り直すと、円はu2+v2<1となり、三角形の斜辺 x+y=r はu=2r−2となる。この座標変換は回転と平行移動なので面積を変えない。
T∩D の面積を A(r) とおく。三角形 T の面積は r2/2 だからF(r):=S(r)−2r=2r2−A(r)−2r.円上で x+y がとる範囲は2−2≦x+y≦2+2である。
円と交わらない範囲
0<r≦2−2 では A(r)=0 なのでF′(r)=r−2<0.また r≧2+2 では A(r)=π なのでF′(r)=r−2>0.円を横切る範囲2−2<r<2+2とする。s=2r−2とおけば、A(r) は単位円の u≦s の部分の面積である。s の位置での弦長は21−s2であり、ds/dr=1/2 だからA′(r)=21−s221=2−(r−2)2.よってF′(r)=r−2−2−(r−2)2.r<2 では明らかに F′(r)<0 である。2≦r<3 では(r−2)2<2−(r−2)2なので F′(r)<0、3<r≦2+2 では不等号が逆になり F′(r)>0 である。以上を両側の範囲とつなげると、F は r=3 まで減少し、その後増加する。したがって最小となるのはr=3である。
r=3 では s=1/2 である。単位円のうち u>1/2 の小さい円弧部分は、中心角 π/2 の扇形から、2本の半径が作る直角三角形を引いたものである。その面積は4π−21.したがってA(3)=π−(4π−21)=43π+21.ゆえにF(3)=29−(43π+21)−6=−2−43π.よって最小値 −2−43π,r=3である。
総評
難度7、計算量7。目安時間は32分。円の内部が第1象限にあるため、三角形との共通部分を半平面 x+y≦r だけで表せることが出発点である。採点上は、面積の増加率に弦長だけでなく ds/dr=1/2 を掛けること、円と交わらない両側の範囲も調べて大域的最小を保証することが重要である。r=3 の面積は円扇形と三角形で評価でき、逆三角関数は不要である。
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出典: 東北大学 2013年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。