方針
は実部・虚部が整数である複素数、つまり加法・減法・乗法で閉じている集合である。(1)は整数値2次式を と の組で表す。(2)は として の実部・虚部の偶奇が一致することを示す。(3)は(2)を使える形に と分解し、逆向きは の代入から係数条件を取り出す。
解答
(1)
まずである。 が整数なら も整数である。したがって、 がすべて の要素なら、すべての整数 に対して も の要素である。よって(b)から(a)が従う。
逆に(a)が成り立つとする。 を代入して である。また だから である。さらに であるから である。したがって(b)が成り立つ。以上より(a),(b)は同値である。
(2)
とおく。ただし は整数である。このとき と書けば である。 は偶数なので であり、また である。したがって と は同じ偶奇である。
よって であり、 と はともに偶数である。したがって実部・虚部はいずれも整数であり、 である。
(3)
まず(d)が成り立つとする。任意の に対して、(2)より である。また は加法と乗法で閉じている。したがっては の要素である。よって(c)が成り立つ。
逆に(c)が成り立つとする。整数はすべて の要素なので、(1)を用いると はいずれも の要素である。さらに なので である。 とおくと であり、 である。したがって は の要素である。両辺に を掛けても に属するので である。よって(d)が成り立つ。
以上より(c),(d)は同値である。
総評
難度8、計算量7。目安時間は30分。整数値多項式の考え方を、実部・虚部が整数の複素数へ広げる問題である。採点点は、 を で表すこと、 の実部・虚部が整数になる偶奇確認、(3)の逆向きで を代入して を取り出すことである。 が四則のうち加法・減法・乗法で閉じていることを使ってよいが、2で割る操作は常に閉じるわけではない点に注意したい。 別解監査では、有限差分とガウス整数の偶奇が本質であり、代入順を変えるだけの証明は独立解法として数えていない。