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東北大学 2015年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

α,β,γを複素数として、f(t)=αt2+βt+γとおく。
実部と虚部がどちらも整数である複素数全体の集合をRとする。また、iを虚数単位とする。

(1) 次の2条件(a),(b)は同値であることを示せ。

(a) すべての整数nに対し、f(n)Rの要素である。

(b) 2α,βα,γはすべてRの要素である。

(2) xRの要素ならば、
x(x+1)1iRの要素であることを示せ。

(3) 次の2条件(c),(d)は同値であることを示せ。

(c) すべてのRの要素xに対し、f(x)Rの要素である。

(d) (1i)α,βα,γはすべてRの要素である。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

複素数平面整数論証・証明 同値変形、偶奇性、式変形

方針

R は実部・虚部が整数である複素数、つまり加法・減法・乗法で閉じている集合である。(1)は整数値2次式を n(n+1)/2n の組で表す。(2)は x=a+bi として x(x+1) の実部・虚部の偶奇が一致することを示す。(3)は(2)を使える形に f(x)=((1i)α)x(x+1)/(1i)+(βα)x+γ と分解し、逆向きは x=0,1,1,i の代入から係数条件を取り出す。

解答

(1)

まずf(n)=αn2+βn+γ=2αn(n+1)2+(βα)n+γである。n が整数なら n(n+1)/2 も整数である。したがって、2α,βα,γ がすべて R の要素なら、すべての整数 n に対して f(n)R の要素である。よって(b)から(a)が従う。

逆に(a)が成り立つとする。n=0 を代入して γ=f(0)R である。また f(1)+f(1)2f(0)=2α だから 2αR である。さらに f(1)f(0)=α+β であるから βα=(f(1)f(0))2αR である。したがって(b)が成り立つ。以上より(a),(b)は同値である。

(2)

x=a+bi とおく。ただし a,b は整数である。このとき x(x+1)=(a+bi)(a+1+bi)=A+Bi と書けば A=a(a+1)b2,B=b(2a+1) である。a(a+1) は偶数なので Ab2b(mod2) であり、また B=b(2a+1)b(mod2) である。したがって AB は同じ偶奇である。

よって x(x+1)1i=(A+Bi)(1+i)2=AB2+A+B2i であり、ABA+B はともに偶数である。したがって実部・虚部はいずれも整数であり、x(x+1)1iR である。

(3)

まず(d)が成り立つとする。任意の xR に対して、(2)より x(x+1)1iR である。また R は加法と乗法で閉じている。したがってf(x)=αx2+βx+γ=(1i)αx(x+1)1i+(βα)x+γR の要素である。よって(c)が成り立つ。

逆に(c)が成り立つとする。整数はすべて R の要素なので、(1)を用いると 2α,βα,γ はいずれも R の要素である。さらに iR なので f(i)R である。δ=βα とおくと δR であり、f(i)=α+βi+γ=α+(α+δ)i+γ である。したがって f(i)γiδ=(i1)αR の要素である。両辺に 1 を掛けても R に属するので (1i)αR である。よって(d)が成り立つ。

以上より(c),(d)は同値である。

総評

難度8、計算量7。目安時間は30分。整数値多項式の考え方を、実部・虚部が整数の複素数へ広げる問題である。採点点は、f(n)n(n+1)/2 で表すこと、x(x+1)/(1i) の実部・虚部が整数になる偶奇確認、(3)の逆向きで x=i を代入して (1i)α を取り出すことである。R が四則のうち加法・減法・乗法で閉じていることを使ってよいが、2で割る操作は常に閉じるわけではない点に注意したい。 別解監査では、有限差分とガウス整数の偶奇が本質であり、代入順を変えるだけの証明は独立解法として数えていない。

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出典: 東北大学 2015年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。