Evolton

東北大学 2015年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第6問

nを自然数とし、In=01dx1+xn,Jn=01log(1+xn+1)dxとおく。ただし、対数は自然対数とする。

(1) 実数t0に対し、次の不等式が成り立つことを示せ。log(1+t+12)t2(1+t+1)(2) 次の不等式が成り立つことを示せ。0Jnlog214(n+1)(3) 導関数ddxlog(1+xn+1)を求めよ。

(4) 極限値limnn(1In)を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

積分数列 不等式評価、部分積分、極限計算

方針

(1)u=1+t とおき、基本不等式 logXX1 に帰着する。(2)は(1)を t=xn に適用し、1+xn+12 で上から評価する。(3)は合成関数の微分である。(4)は Jn を部分積分して、1In と同じ積分が現れる形に変形し、(2)から Jnlog2 を使う。

解答

(1)

u=1+t とおくと u1 であり、t2(1+t+1)=u212(u+1)=u12 である。一方、X=(u+1)/2 とおくと X>0 であり、基本不等式 logXX1 より logu+12u+121=u12 である。したがってlog(1+t+12)t2(1+t+1)が成り立つ。

(2)

0x1 では xn0 なので 1+xn+12 であり、したがって Jnlog2=01log(1+xn+12)dx0 である。また(1)に t=xn を代入するとlog(1+xn+12)xn2(1+xn+1)である。分母は 2(1+xn+1)4 だから log(1+xn+12)xn4 である。よって 0Jnlog201xn4dx=14(n+1) である。

(3)

合成関数の微分によりddxlog(1+xn+1)=11+xn+1nxn121+xnである。したがってddxlog(1+xn+1)=nxn121+xn(1+xn+1)である。

(4)

まず 1In を変形する。1In=01(111+xn)dx=011+xn11+xndxである。分子を有理化して 1+xn1=xn1+xn+1 だから 1In=01xn1+xn(1+xn+1)dx である。

次に Jn を部分積分する。(3)よりJn=[xlog(1+xn+1)]0101xnxn121+xn(1+xn+1)dxである。したがってJn=log(2+1)n201xn1+xn(1+xn+1)dxである。上で得た式と比較して Jn=log(2+1)n2(1In) となる。よって n(1In)=2{log(2+1)Jn} である。

(2) より 0Jnlog214(n+1) だから limnJn=log2 である。したがってlimnn(1In)=2{log(2+1)log2}=2log2+12である。

総評

難度8、計算量7。目安時間は30分。前半の不等式評価で Jnlog2 を作り、後半の部分積分で n(1In) と結びつける構成である。採点点は、logXX1 の使い方、Jnlog2 の上界、(3)の微分、(4)で 1In と部分積分後の積分が同じになることの確認である。極限値は Jn の極限を代入するだけなので、そこまでの式変形を丁寧に保つことが重要である。 別解監査では、設問の誘導どおり Jn の評価と部分積分で In を結ぶことが核心であり、同じ恒等式の変形順だけを変える案は独立解法として数えていない。

冊子PDFで見る東北大の積分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2015年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。