Evolton

東北大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

xy平面において、3次関数y=x3−xのグラフをCとし、不等式x3−x>y>−xの表す領域をDとする。また、PをDの点とする。

(1) Pを通りCに接する直線が3本存在することを示せ。

(2) Pを通りCに接する3本の直線の傾きの和と積がともに0となるようなPの座標を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30分

微分、関数 接線・法線、解と係数の関係、文字消去

方針

C の x=t における接線を作り、点 P=(u,v) を通る条件を t の3次方程式にする。P∈D は u>0,u+v>0,v<u3−u を意味し、この3つの不等式で3次式が (−∞,0),(0,u),(u,∞) に1つずつ根をもつことを示す。(2)は根と係数の関係で、傾き 3ti2−1 の和と積の条件を処理する。

解答

(1)

点 P を P=(u,v) とおく。P∈D であるから u3−u>v>−u であり、特に u>0,u+v>0,v−u3+u<0 である。

曲線 C:y=x3−x の x=t における接線を求める。導関数は 3x2−1 なので、接線は y−(t3−t)=(3t2−1)(x−t) すなわち y=(3t2−1)x−2t3 である。この接線が P=(u,v) を通る条件は v=(3t2−1)u−2t3 であり、整理して F(t)=2t3−3ut2+u+v=0 である。

この3次方程式の実根の個数を調べる。まず lim⁡t→−∞F(t)=−∞,F(0)=u+v>0 だから、(−∞,0) に少なくとも1つの根がある。また F(u)=2u3−3u3+u+v=v−u3+u<0 であるから、(0,u) に少なくとも1つの根がある。さらに lim⁡t→∞F(t)=∞ なので、(u,∞) に少なくとも1つの根がある。

3次方程式の根は高々3個であり、上の3つの区間は互いに交わらない。したがって実根はちょうど3個あり、それぞれ異なる。各根は P を通る C の接線の接点に対応するので、P を通り C に接する直線は3本存在する。

(2)

3つの接点の x 座標を t1,t2,t3 とする。方程式 2t3−3ut2+u+v=0 の根と係数の関係より t1+t2+t3=3u2,t1t2+t2t3+t3t1=0 である。

接線の傾きは 3ti2−1 である。傾きの和が0である条件は (3t12−1)+(3t22−1)+(3t32−1)=0 すなわち t12+t22+t32=1 である。一方、t12+t22+t32=(t1+t2+t3)2−2(t1t2+t2t3+t3t1)=(3u2)2だから (3u2)2=1 である。u>0 より u=23 である。

また、傾きの積が0であるから、ある i について 3ti2−1=0 である。よって、その根を r とおくと r=±13 である。u=2/3 のとき、根の和は1、2根ずつの積の和は0である。根の1つが r なら、3根の積は r(r2−r)=r3−r2 である。一方、根と係数の関係より t1t2t3=−u+v2=−2/3+v2 である。したがって v=−2(r3−r2)−23 である。

r=1/3 のとき v=−233=−239 である。これは −23<v<−1027=u3−u を満たすので P∈D である。

r=−1/3 のとき v=239 となるが、これは v<u3−u=−10/27 を満たさない。よって不適である。

以上より求める点は P=(23,−239) である。

総評

難度8、計算量7。目安時間は30分強。接線の接点を t と置いて3次方程式を作るのが核心である。採点点は、領域 D から u>0,u+v>0,v−u3+u<0 を取り出して3つの区間に根を分けること、根と係数の関係で u=2/3 を出すこと、最後に2つの候補のうち P∈D を満たす方だけを残すことである。傾きの積が0という条件は、接点のどれかが t=±1/3 であることを意味する。 別解監査では、接点パラメータの3次方程式を作ることが核心であり、根の存在確認を微分表へ置き換えるだけの案は同一方針として数えていない。

冊子PDFで見る東北大の微分の問題で問題集を作る

出典: 東北大学 2015年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。