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東北大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

三角形 ABC の内接円の半径を r、外接円の半径を R とし、h=rRとする。また、A=2αB=2βC=2γ とおく。

(1)
h=4sinαsinβsinγ となることを示せ。

(2)
三角形 ABC が直角三角形のとき h21 が成り立つことを示せ。また、等号が成り立つのはどのような場合か。

(3)
一般の三角形 ABC に対してh12が成り立つことを示せ。また、等号が成り立つのはどのような場合か。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

三角関数図形と方程式 三角比の利用不等式評価対称性の利用

方針

面積を Δ、半周長を s とし、Δ=rsΔ=abc/(4R)、さらに正弦定理 a=2RsinA を組み合わせる。A=2α などを代入し、α+β+γ=π/2 から sinA+sinB+sinC=4cosαcosβcosγ を使う。(2)(3)は h=4sinαsinβsinγ の最大化で、和が一定のもとで2つの角を平均化すると積が増えることを用いる。

解答

(1)
三角形の面積を Δ、半周長を s とする。よく知られた面積公式より Δ=rs であり、また外接円半径を用いると Δ=abc4R である。正弦定理より a=2RsinA,b=2RsinB,c=2RsinC なので Δ=2R2sinAsinBsinC である。一方 s=a+b+c2=R(sinA+sinB+sinC) である。したがってrR=ΔsR=2sinAsinBsinCsinA+sinB+sinCである。

ここで A=2αB=2βC=2γ であり、α+β+γ=π2 である。このとき sinA+sinB+sinC=4cosαcosβcosγ が成り立つ。また sinA=2sinαcosα などであるからh=rR=28sinαsinβsinγcosαcosβcosγ4cosαcosβcosγ=4sinαsinβsinγである。

(2)
直角三角形であるとする。たとえば A=π2 としてよい。このとき α=π4,β+γ=π4 である。(1)より h=4sinπ4sinβsinγ=22sinβsinγ である。

β+γ が一定のとき、sinβsinγsin2β+γ2 であり、等号は β=γ のときである。したがって h22sin2π8 である。さらに sin2π8=1cosπ42=224 だから h21 である。等号は β=γ=π8 のとき、すなわち直角をはさむ2角が等しい直角二等辺三角形のときに成り立つ。

(3)
一般の三角形では α+β+γ=π2 である。2つの正の角 x,y について、和を一定にすると sinxsinysin2x+y2 であり、等号は x=y のときである。したがって、α,β,γ のうち等しくない2つを平均に置き換えると、sinαsinβsinγ は小さくならない。

これを繰り返すと、積が最大になるのは α=β=γ=π6 のときである。よってh=4sinαsinβsinγ4(12)3=12である。等号は α=β=γ すなわち A=B=C のときであり、三角形 ABC が正三角形のときに限る。

別解

解法2(対数の凹性で最大化)

方針

設問(1)の半角公式を得た後、log(sinx) の凹性を使って、和が一定の正の角の正弦積は角が等しいとき最大になることを一度に示す。

解答

(1)
面積公式 Δ=rs=abc/(4R) と正弦定理から整理するとrR=4sinαsinβsinγ,α+β+γ=π2.ここで f(x)=log(sinx) とおくとf(x)=1sin2x<0だから f は凹関数(高校数学の表現では上に凸)である。

(2)
直角三角形では、例えば α=π/4β+γ=π/4 である。f の凹性から f(β)+f(γ)β=γ=π/8 で最大となるのでh22sin2π8=21.等号は直角二等辺三角形のときである。

(3)
一般には同様に、α+β+γ=π/2 のもとで正弦積はα=β=γ=π6のとき最大である。したがってh4(12)3=12,等号は正三角形のときに限る。

総評

難度7、目安時間30分。前半は面積公式と正弦定理をつないで r/R を半角の積に変形するのが中心である。sinA+sinB+sinC=4cosαcosβcosγ を使う理由を明示すると計算が見通しやすい。後半は和が一定のもとで sin の積が等分で最大になるという不等式の問題である。等号条件は、直角三角形では直角二等辺、一般では正三角形まできちんと戻す。

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出典: 東北大学 2018年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。